ひさびさの谷中だより

えー・・・谷中外食事情でござんす。
ごぶさたですが、けっこう外食はしてないこともないんでござんす。
ただ、やっぱり自炊の比率が高いんで、ネタが少ないと言えば少ない、かも。
でもおすすめの店はちらほらと、ね。

<上海厨房 味楽>
千駄木の中華屋さん。ファミレス風の明るい店内で入りやすい。お料理二品とスープ・ごはん・デザートのセットが1,000円しないのがお得だと思う。味もなかなかです。私は鶏カシュー炒めがすきなんで、これとあと一品プラスご飯でビール飲んでまったりすることが多い。お客さんが少ないと、個室っぽい席に一人でも案内してくれたりして、テーブルも広いし、のびのびできる。ただ、ちょっとお料理の出来に波があるかなーという印象もなくはない。五目焼きそばが美味しいときとそうでもないときが。美味しいときの五目焼きそばは絶品。ちょっと焼付けて焦げ目のついてる麺に、とろっとした優しい味の餡かけ、うわああん、食べたい!

<味工房 パルミエ>
5月に山田晃士トリオが千駄木であったとき、ライブ後の食事どころを探していて偶然見つけた洋食屋さん。夜が早い千駄木で、かろうじてなんとか開いていたというだけで選んだ店だった、のだ、が!店構えの見た目は「スナックですか?」と思うような微妙な感じ。店内に入っても、壁の棚に山ほどボトルキープの焼酎のビン。ありゃ、期待できないかな、でもおなかに何か入ればいいやー、と席に着いた。Lの字型のカウンター。でも、ランチョンマットにきちんとセットされたお箸。カウンターの中で額に汗して仕込みをしていたらしい店主。ん、適当な店ではないのかも、と言う気配がちょっと、する。トイレを借りてみて、トイレもきれいにしつらえいるのを見ると、あ、意外と、意外かも、と。
11時頃、3人で押しかけ、こともあろうに3人ともバラバラの注文。つい「ばらばらですいません。」と謝ったりする私に「なんで?」という、ちょっときょとんとした店主の表情。さくさくっと手際よく、こともなげにビーフシチュー、ボンゴレスパ、和風スパがほとんど同時に目の前に。うわ!と思いながら食べてみれば、これがまた美味しくて!坂上二郎のようなフニャフニャしたムードの店主のキャラとともに、サービス業界の人間であるワタクシにとってこの件は強烈な印象が残ったのだが、あとで調べたらこのヒト、ホテルオークラの料理長だったヒトだって。そっかぁ・・・隠しても、にじみ出るものはにじみ出るのもんだ。わざわざ言わなくたって、サービスの質の高さって、わかる人間にはわかるぜ、マスター!。
カウンターの片隅には猫の写真。お客さんの猫だそうだった。修行の時代を経て、自分のリズムで仕事ができるようになったヒトの、心地よいユルサを感じる店であった。あたりまえにオイシイってすんばらすぃー

<ととや>
よみせ通りのおすし屋さん。前はいかにも古臭い「町のおすし屋さん」って感じだったんだが、リニューアルしてちょっぴりオシャレに。でもあまりに近所過ぎて、一人で行くには贅沢な感じがして行ったことがなく、先日寿司好きの母が上京したときに、ランチ目当てに初めて行って見たのだった。ランチのチラシ寿司を頼んでみた。美味い!ネタのひとつひとつが丁寧にしあげてあるのがわかるし、なによりイクラ!しょうゆ漬けでないイクラの美味さに感嘆した。ただ、ご飯の量が男のヒトには少なめかも、ですね。寿司メシはいい感じの固さで美味かった。
この日、ちょうど浅草の三社祭の日で、母が上京してきていることを話したら板前さんが「じゃあ、三社祭いかなきゃ!もったいないよ、せっかく来たんだから!」と強烈プッシュ。板前さんのおかみさん(?)も奥から出てきて、「えーと、これから浅草に行くには・・・・。」と、ルートのアドバイスまでしてくれる始末。結局行かなかったのだけど、私と妹と母の中では「あの板さん、自分が三社祭に行きたかったのでは?」という結論になった。なんか血の気が多そうで、お祭り好きそうな板前さんだったのよ、確かに。
何にしても、値段がはっきり提示してあるおすし屋さんなので、安心できるお店だと思います。お祭り好きっぽい板前さんとお話しするのも楽しいかも。

<弥々亭>
日暮里から御殿坂をあがったところにある超がつくくらいフツーの中華屋さん。いままで入ったことがなかったのだけど、一箱古本市の助っ人集会のときにここが会場になったことがあり、そのときに出た餃子のあまりの美味さ(ていうか、私の好みにぴったりな味だっただけのことですが。)とチャーハンの美味さ(普通のものが普通にオイシイ、という美味しさ)に感じ入り、その後も行くようになった店。餃子が私好み。皮は市販ぽいけど、中の餡が野菜の歯ごたえがざくざくして、肉もたっぷり入ってて、なんともまるまる太った餃子なの!あの野菜の多さが、宇都宮出身で餃子にうるさいワタクシをうならせるものがあった。谷中周辺では、私的にナンバー1の餃子ですね。とにかくあの、ざくざく感がいい。店の感じもきどらなくて落ち着く。あと、意外においしいメニューがカレーなんです。台湾風カレーって書いてあるからどんなのかな、って思ったら、細かく切ったジャガイモがとろけて、小麦粉でとろみをつけたっぽいなんとも給食風のカレー。ほっとする美味しさ。

<根津のタイ料理屋>
お店の名前失念。タイカレー、タイラーメンが目立つお店だけど、私が注目したのは海南風のチキンライスがあること。お店のヒトも感じいいです。

<だんだん>
夕焼けだんだんの下にある小さな焼酎バー。私としては、この店に行こうと思って行ったことはなく、駅に近いという場所柄、時間つぶしだったり待ち合わせだったり、そんなことでなんとなく使うことが多いんですが、この前久しぶりに行ってみて、焼きモノのたしかな美味しさにあらためてびっくり。豚バラの焼いたの、塩加減もちょうどよくって、美味かった。それと、つくね。予想外にスパイシーで印象的な味、オイシイ。今度はこの店に行くつもりできちんと行かねば、ね。基本的には焼酎にこだわりの店で、それはもうたくさんのメニューがあるんですが、置いてある数少ない日本酒に「吉乃川」が私的にはとても好みの味なんで、つい焼酎無しで終ってしまいがちではある。すまんです。

<Papas>
これもだんだんの下にあるカフェ。待ち合わせで初めて使ったのだけど、コーヒーが濃くて美味しかった。私はかなり濃いコーヒーが好きなので、普通に外で飲むと満足できないことが多い。まあ、外で飲むと好みに合わないのが普通なので、自分でいれるときに濃い目に入れるしかないよなー、と思っていたんですけど、ここのコーヒーはおもいっきりフレンチローストで美味かった。でも一緒にいった母には「ずいぶん濃いコーヒーだね。」って言われたんで、好き好きかも。お店の方の知り合いの手芸品とか置いてあったりして、アットホームな店。お店においてある本などから察するにフランス風のカフェをめざしているっぽいです。
ところでこの店、初めて行ったのにマスターに「あれっ、どこかで会ったことが・・・。」と言われた。いや、勘違いですって、マジで。

<シャレースイスミニ>
富士見坂を上がったところにあるスイス料理店。ログハウスにハーブガーデン、オープンテラスあり。どう考えても昼間に行った方がステキなお店に、行きがかり上夜、それも梅雨どきの豪雨の夜にご訪問。チーズフォンデュのコースを食べた。フォンデュにつけて食べるネタがパンだけ、というのがやや物足りず。ジャガイモとかブロッコリーがあるといいのに。とはいえ、パンのきれっぱしにとろとろのチーズをからめて、黒胡椒をまぶして食べるというのはなんともクセになる美味しさ。おなかの中でチーズが固まるよといわれても、ビールや冷たいワインをお供にバクバク食べたい。スイスワインも賞味。なんとも軽い味わい。チーズにぴったり合って至福。
お料理が素朴なんで飽きが来るヒトもいるかもですが、それもスイスのお国柄的な味わいなんだろうと思えば楽しめます。
フォンデュの食べ方の説明と、帰りのお見送りに出てきてくれたスイス人のオーナーもダンディでユーモアたっぷりでいい感じです。

<お茶とごはんや>
定食屋さん・・・・だけど、値段がわりと高いので、いままで敬遠していた店でした。でもこの前、意を決して入店。1600円のお刺身定食とビールを食してみて、たいへんにレベルの高いお店であることを知った私。定食とはいえ、メインディッシュのおかずの他に、3品も小鉢が出てくるんですよ!あと、御新香とお汁、デザートには果物。この日はスイカ。ビール入れても2000円程度で、ごはんもくるからおなか一杯だし、高くもないのかも。小鉢のお惣菜も作りたて感ありあり。作り置きで冷たいのではなく、ひじき煮なんかほかほか。ごはんはおひつに入って、お茶碗に軽く二杯分程度。けっこう食べられちゃいます。上質な日常ご飯、極上の普通メシ。フトコロに余裕があるときにまた行きたい。

そんなこんなで、まあ、お気に入りの店も続々増加中。
やっぱ、谷根千、レベル高っ!!!です。