国本武春・菊池まどか 浪曲と河内音頭と三味線弾き語りの会

実ははじめての横浜にぎわい座。野毛にあるんですねぇ。ってことで、このところすっかりお気に入りの「野毛山節」および「ノーエ節」を脳内BGMに会場へ。一階にフレッシュネスバーガーとか入ってて、鑑賞前の小腹対策に便利。
譲ってもらったチケットでの鑑賞のため、どんな内容なのかは予備知識なしだったのですが、基本的には浪曲の会。前半はそれぞれが浪曲。後半は弾き語りと河内音頭という趣向。最初は「前読み」ということで落語の開口一番と同じ位置づけのお話から始まった。これがなんとたっぷり30分。まさかこの語りのレベルで30分聞かされると思っていなかったからびっくりした。下手ではないけどまだまだ熟成されておらず、自分のものになってない。なんでこんな長く演らせるのかなと思ったら、どうやら「浪曲は落語と違って短い話が無い」かららしい。その後、菊池まどかさん。丸顔で庶民的な感じだが、口元に迫力がある。内容は忘れたが、忠臣蔵の中の挿話のひとつ。男っぽい話を女の人が演るとある種の爽快感をかんじる場合があるが、彼女にはそれを感じた。「少女剣士」的な精悍さっていうのかしら?気持ちいいもんです。
国本武春さんは若き日の原敬にまつわる友情譚。人情話みたいなもんだが、笑わせるところもうまく挟み込んでいてさすがの余裕。
後半は国本武春さんは弾き語りで「巌流島」お馴染みの客いじり健在。オーバーアクションに漫画みたいな顔。でもこの人、性格は二枚目だよ、という意見を「ひ」さんから後で聞いてなるほどと思う。おせじにもルックスはよくないが、卑屈なところが微塵も無くって豪快で、多少のことではびくともしなさそう。かつて一目ぼれでファンになった女子がいたらしい。「いや〜ん、頼もしい〜」って感じか。三味線をバンジョーみたいにバキバキ弾くのもオットコ前〜。このストレートさがアメリカで受け入れられた要因かもしれぬ。三味線弾きとしては繊細さが足りないっていう人もいるかもしれないけどネ。ま、武春節ってことでいーじゃないの。
最後は菊池まどか嬢の河内音頭。振袖で登場。歌いながら会場をくまなく回り、ほとんど全員と握手。私も握手しました。やわらかい手にドキドキ。なんか演歌コンサートみたいだったな。会場では踊りだす人もいた。こういう世界もアリか。私は邦楽楽器に洋楽器を合わせたアレンジが好かないのだけど、河内音頭エレキギターは許せる。いなたくて粘っこくて泥臭い感じが好き。なんかね、あんまりインテリっぽくない音楽が好きなんです。

ところで武春さんの弾き語りを観ていると私はこの人を連想する。
ボ・ディドリーです。