まとめがき6月パート2

ああもう、ほんとにもう、記録だけでも・・・。

<アチャラカ荘の人々 昭和怪し芸人伝>この前書いたので割愛。
下北沢440 ランチライブ「東京 音楽の休日」柴草玲ほか>
なんと無料!お店で何かオーダーすればライブチャージ無しというステキな企画。柴草玲さん目当てで出かけてみた。出演は3組で、玲さんの前はちょっと山崎まさよしテイストなギター弾き語りの人。その後、いつの間にか現れた玲さんはステージ上でまったりと発声練習、PA調整などを。以前見たときもそんな感じだったのだが、低血圧の人の寝起きみたいなスローモーな様子を見ているうちに、ライブ開始前にしてすでに「柴草玲ワールド」に引き込まれているのである。アコーディオン弾き語りからピアノ弾き語り、朗読まで。「私はサゲマン!」とアコーディオン抱えて唄い放つ「さげまんのタンゴ」、紫陽花の花陰に終わるしかない恋を思う「紫陽花」、夕暮れの町で幼い頃の自分に再会する「ミサンガ〜小さな社宅」など・・・叙情と滑稽さと情念とが一人の女性の中に矛盾無く詰まっている不思議さと奥深さ。いや、この混沌こそが女なのかも。
いやーしかしすごかった「さげまんのタンゴ」。さげまんのポーズ(?)というのがあるんだけど・・・これがちょっと恥ずかしい代物。それを堂々とやってしまう玲さんに、「昨日や今日、女になったわけやないで〜(なぜか関西弁)」という迫力を見たぜ。

<下北沢 講談大酋長 神田阿久鯉
まいどおなじみ、ニューオリンズバーでの演芸企画。阿久鯉さんは3回目。この春真打昇進を済ませたそうで、心なしか以前より堂々としたような。ブルー系のすっきりした縞の着物にたしか紫陽花か何かの柄の帯だったような気がするが、ピシッと決まっていわゆる「素人」ではない雰囲気と貫禄。演目は前回の「旗本五人男」の続き。いままでのあらすじを説明するために、登場人物の名前を紙に書いて、お客さんに持たせて立たせるという方法が面白く、終演後もそのお客さんは登場人物の名前で呼ばれて、身に覚えも無い今回のお話の中の極悪非道ぶりを責められたりしていておかしかった。ストーリーはもう、前回にひきつづき陰惨で救いようが無く、主人公は笑っちゃうくらい身勝手。ほとんど逆恨みでいろんな人を切り殺した挙句、なぜか最後に自ら切腹して死んじゃうのだ。だったら最初から自分だけで死ねばっ!!!どう考えても自分のせいなのに、ぜんぶ人のせい。昨今の通り魔事件の犯人どもと通じるものがある。しかしこれだけ徹底して非人道的だと、中途半端に人間味があるよりどっか愛嬌があるように思えなくも無いような。阿久鯉さん、真に迫った悪漢ぶり。初めて講談を聴いた女性客の中には「怖い」と言っていた人もいたとかいないとか。
それにつけても毎回気になる阿久鯉さんのお肌の美しさ。なんであんなにほっぺがツルツルなんだろう?うらやましい。
<笑って笑って笑いまショー>
3ヶ月に一度の恒例となったコタンでの演芸会。特筆すべきテイストが無いのがテイストであろうか。他に同じような会が無い。そこがいいところで私の好きなところ。トップバッターは東京ガールズ。全体にお疲れ気味のスローモードだったが、テンポが客席と微妙にズレることで逆に笑いが起きていた。芸人としてのスタイルの合間にときどき見え隠れする「等身大の現代の女性」としての表情がなんか好きだな。うめ吉さんみたいに「うまれる時代を間違えたような」あるいは「タイムスリップしてきたような」浮世離れした感じでなくて。私的にはその辺りが東京ガールズの魅力のひとつとなっているのだけど。2番手、寒空はだかさん。例によって例のごとくおなじみのテンション。どんな小さい舞台でも大きい舞台でも変わらないのがすごい。そのことをライブが終わったあとに言ったら、本人的には調子が悪いときもいいときもあるのだそうだ。ぜんぜんそうは見えない〜。「僕の彼女はマーメイド」がツボって、その後しばらく私の中でブームになった。だって、マーメイドったって、下半身ウナギなんだもの。好田タクトさん、おなじみの指揮者芸はあとまわしにして、なんと昔から気になっていたタイガーマスクのBGMに関する考察の発表会。アニメの音だけ流しながら場面を解説するという、マルセ太郎の音ありバージョンみたいなことをやっていた。みうらじゅんみたい。はたしてこれが芸と呼べるのか否かはさておき、おもしろかった。今後、芸としてブラッシュアップしていく予定らしい。楽しみにしてよう。トリは弱つよむさん。私は実はずーっと注目していた人なのだった。今回は短いネタソングをいっぱいやってくれた。4コマ漫画みたいなオチありの曲ばかり。所ジョージみたいな感じといえば近いか・・・。あと感動したのは、ギターコードの通りに歌うと曲になるネタ。「A B9 E Gmaj」で「海老無い、イジメじゃ〜」とか「A F D Cm」で「絵筆しまいな〜」とか、ばっかばかしいけど、考えるの大変だっただろうな。他の曲も毒とエッジが効いてて、相変わらず冴えてるなあーって感じでした。
トータル的な統一感無くて、出演者も100%全力投球している感じも無くて、なんかつかみどころのない会だけど、ライブハウスらしくて良いと思う。観てる方もお気楽に観ていられてよい。この日サンダルだった私は、気がつくと裸足で長椅子の上で横座りしていて、「ひ」さんに「くつろぎすぎ!」と言われてしまった。だって〜・・・。
<柴崎和圭リサイタル スカンジナビアの風を運ぶ>
私が所属するアコサークルの大先輩(といっても私より若い。)の女性アコーディオン奏者の初リサイタル。会場が川口リリア(4Fの音楽ホール。ステージにパイプオルガンがあるとってもハイクオリティなクラシック用のホールだった)ということでサークルにとっても地元であり、自分達のサークルから巣立った新星ということで、会場スタッフの立場での鑑賞だったため、受付でパンフ配りをしたり会場で空席案内をしたりと終始バタバタ。落ち着いて聴けたのは後半になってからだった。それでもアコーディオンという楽器のもつ表現力の幅広さには圧倒された。飛行機が飛び立つようなブゥーンという共鳴音から、耳鳴りのようなキーーーーーンという微細な音まで、蛇腹表現の極限から極限へ旅するような第一部、うって変わってアコーディオンの庶民性を打ち出し各国のポピュラー音楽を聴かせたアンサンブル主体の第二部とバリエーション豊かなコンサートであった。演奏者の和圭さんの人柄もキュートですばらしいの。やっぱ、笑顔ですよ、笑顔!

しかしこの前思ったのだが、特にお笑いに関して感想をまとめて残すことって意味無いっていうか、ほんとうはその場で思いっきり楽しんで、「ああー、面白かったー。」って次の日忘れちゃうくらいが、お笑いの本分なのかもしれない。
こんな風に書いて残すというのは、いささか野暮。書くことが仕事でもあるまいし、何やってんだかと自分で思うときもある。でもねえ、やっぱり楽しかったことって憶えておきたいし、あわよくば同じモノを観た人と感想を共有したい。一度も会ったことが無くこれからも会うことも無い人と、たまたま同じライブやコンサートを観たということや同じ芸人さんが好きということだけで、検索エンジンの取り持つご縁で一瞬でも出会えるっていうのが面白いと思うんです。あと、稀に芸人さんやアーチストご本人とも、ね。

毎日なんでこんなに慌しいの????ちょっとこんな動画で癒されてみよう・・・。