まとめがき6月

恒例まとめがき。6月といいながら、5月にひとつ書き忘れていた。

5月30日 浪曲大酋長
下北沢ニューオリンズバーの恒例ミニ演芸会。今回は浪曲ということで、春野恵子さん。その昔、伝説の番組「進め!電波少年」で坂本ちゃんの家庭教師役だった「恵子先生」その人である。その後、なぜか浪曲にめざめ、入門し、とうとう浪曲師になってしまった。第一印象、「うわー、美形!」。鼻が高くて目はぱっちり。テレビで見たときはもっとオトナっぽい印象だったけど、生で見ると美少女〜って感じです。瞳から星が飛んでいる・・・。鼻筋が通ってる系の美形顔って、テレビで平面に映ると老けてみえちゃうのよね。(栗山千明香椎由宇しかり)
さて、本題の浪曲は「天狗の女房」。拉致られて無理やり天狗の女房にさせられたのに、天狗が死ぬときにちゃんと看取らなかったということで、なぜかひどい目にあってしまう女の話。理不尽!不条理!かわいそー!あんまりだ!
しかしまた、天狗をなじるセリフのときの燃えるような瞳ときたらどきどきしました。うーん、キレイな人が怒ると怖いわー・・・。
巧拙を言ってしまうとまだまだなんだろうけど、キレイで若くて元気いっぱいっていうのもひとつの良さだと思うから、今はそれを恥じずに堂々とやっていけばよいのではと思う。
浪曲の三味線ってのも初めて見たが、バチでばしばし叩くみたいに弾いてるのが面白かった。

6月4日 ちょっとエッチな大人のないしょ噺
柳家紫文&ペーソスという「大人男子」による、エッチなネタにテーマを絞ったライブ。こういうテーマ縛りって面白いね。ペーソスはいつもの雰囲気、いつもの曲なんだけど、なかでもシモがかった歌詞のものを選りすぐって披露。エッチなんだけど聴いているとなぜか悲しい気持ちになってくるのはなぜでせう?後日ペーソスのウェッブページ(スマイリー井原さんはそう言う。)を見たら、それを「エロ悲しい」と表現していた。大人のエロって、「もしかしてダメかも」っていう含みがあること。若いときには考えもしないことだろうけど、男も女もね。アレはいつでも出来るってモンでもないってのを知っているのが大人。いつまでもあると思うなアレとソレ。しっかし新曲「ヘーケイ物語」・・・演芸ファンの女性にケンカ売ってるのかぁ?
紫文さんは一度ひとりでステージにあがり、とりあえず平蔵を披露した後都々逸などをひとしきり・・・。しかし、なにか言いたいことがあるのになかなか言い出せないっぽい雰囲気のまま、東京ガールズを呼んでお座敷芸大会に。春歌、猥歌とよばれる類のものを振り付きでいろいろと。かなりえげつないのだが、小糸さんが歌うとなぜかエロ気が抜けてさわやかになってしまう。これは才能だわ〜。超能力だわ〜。
最後にもう一度ペーソスが出てきて締め。アンコールまであっていい雰囲気のまま打ち上げへ。そこで紫文さんがステージで発表をためらっていた新ネタを披露してくれた。艶笑小話に三味線をつけたもので、けっこうきわどかったが面白く出来ていた。(ちなみに昔、あのねのねがおなじ小話を曲にしたてて、放送禁止になっている。)でも、確かにステージで演るのは危険かも。引かれて終わりっていう可能性もある。お客が大人で、お酒も適度に入っていて、お互いに知らない仲ではない的な雰囲気ができてから・・・ってのがベストでしょうね。またどこかで聴けるかどうかは、アナタが大人かどうかにかかっている???またやってほしい企画であります。R18でね。内容がきわどいからR18にするわけではない。ニュアンスを味わうことができない年代の人間は抜きでやりたいってことである。どぎついからいいってもんじゃない。天津木村のエロ詩吟で喜んでる世代の人は、まだまだこちらに来てはいけないよ。

あ、エロ詩吟ってこんなのです。いかがなものか・・・。アイディアはいいんだから、もうちょっと着物をきちんと着て、もっと詩吟らしく間をしっかりとって演ればいいのに、と思うんだけど、まあ、ターゲットが10代から20代だろうからな・・・。ありがちな「あるあるネタ」のギャグの一種として消費されて消える運命であろう。(といいながら気にはしているワタクシ・・・。スタイルとしては面白いかもと思ったので・・・。)

6月8日 本間しげるライブ
「ひ」さんの熱烈推薦。1,2年に一度しかライブをしないそうで、今回のがすといつになるかわからないらしいので、ゆりかもめにゆられてはるばる来たぜ竹芝。駅を降りると倉庫街とオフィスビル。日曜日なので閑散としていて、殺風景この上ない。そういった倉庫の一室でライブは行われた。青いアンモナイトの描いてあるビルだが、ライブをやるらしい雰囲気は皆無。裏口っぽいドアのところに「当日券は4階で販売」という張り紙がしてあったことが唯一、そこでライブがあるのだと知らせるものであった。
会場はがらんとだだっぴろく、天井はダクトが這い回るまさに倉庫の一室。開演前はユーロビートが流れ、ミラーボールがくるくる。会場の後方では、イチゴ入りのシャンパンやオレンジのカクテルなどが振舞われて、「ん?もしかしてクラブイベント?」ってなムード。シャンパンは少量だけど、デュラレックスのピカルディーに入ってるあたりが憎い!休憩のときはクリームチーズクラコットメープルシロップかけたものが出た。オシャレざんす。
オープニングは腹話術の人形に扮して時事ネタっぽい話を。この辺まではあまりピンとこなかったが、この後のおばさんのコントから激はまりする私であった。「劇的おばさん」というらしい。ドハデなフラッパーヘアのおばさんが、自分の披露宴でなれそめをスピーチしているという設定で進むコントだが、話題の脱線ぶりといい、流行のギャグをあいまいにうろ覚えで披露する様子といい、リアルおばさんですごかった。だんだん可愛く見えてくるのが怖い。その後、「阿久悠記念館のオープニングに招かれた代議士」コント、エコ天ランドのおねえさんにだまされるコント、仇の子孫7代目まで祟りたい幽霊が、6代目の子孫に恋愛指南をするコントなど、面白いので何も考えずに笑っちゃうけど、じっくり見るとその作り込み方の丁寧さ、緻密さに恐れ入る。また、コントとコントの間をビデオ映像でつないでいたのだが、それもみんなよく出来てて、ちゃんと今の流行をキャッチしてて私のほうがついていけないくらいだった。(青山テルマ世界のナベアツ、ヤザワのブルーレイ・・・)
ぜんぶ笑って終わるかなと思っていたところに最後のコント、実は泣かせだったので不意をつかれてびっくり。ほろりとなってしまった。やられた。
書こうと思えばいくらでも書くことはあるが、まあこのへんで・・・。とにかく完成度の高い舞台であった。こだわりぬいて妥協しないで作ってる感じがする。これなら、ファンは2年待つよね。
余談だが、竹芝はライブが終わったあと、飲み食いするところが少ない。しかし、仕方なく入った「餃子王国」という中華料理店が大当たりだった。店名があまりにぞんざいなので、期待していなかったんだけど、なんでも美味しかった。安いし、おすすめ。

さて、さらに続く・・・。