ビデオジャーナル43

遠峰あこちゃんを初めて観たとき、アコーディオンで民謡というスタイルも面白いと思ったのだが、「この唄、楽しい曲なので好きです。」とか、なんか普通にポップスを好きになるのと同じ感覚で民謡も聴いてて、そこが新鮮に思ったし共感するところでもあった。
それとは別に、ステージが進むにつれ、私は奇妙な感覚に襲われていたのである。
まずこの「野毛山節」を聴いたとき。

「あれー?この曲知ってるぅー。」
歌詞は違うが、聞き覚えがあったのである。その後に続いて歌われた中のいくつかも、かなりの割合で私は知っていた。私もいろいろな音楽を聴いてきたが、民謡はさすがに範疇ではなかった。うーむ、どこで聴いたのだろうか?
という謎はすぐに氷解。そーだ、父が昔、民謡を習ってたのよ!私が小学校上がる前だから、当時の父は今の私よりトシが若かったはずだが、あの頃民謡を習い、盆栽を嗜んでいた。何でまた30代で民謡に盆栽??と思うが、あの頃の田舎の30代ってのは、今の30代よりうんとオトナだったし老成していた。盆栽をやっていたのも、民謡をやっていたのも、別にうちの父だけではない。周りのお父さん連中もやっていた。(地域限定でブームだったのかな???)
そんなわけで、家の中でよく民謡のテープが流れていたんである。サブリミナル的に憶えていたのね。
しかし、私が知っている曲はあこちゃんが歌ったのと歌詞が違っていた。調べてみたら私が知ってたのはこっちだ。「溶けて流れてノーエ」っていう歌詞だけ、妙に憶えていた。あと、「お化粧長けりゃノーエ」が「お化粧」に聴こえなくて、「オケショってなんだろ?」って思ってたことも思い出した。なっつかしー・・・。

子供のときは年寄り臭いとしか思えなくて興味なかった民謡だが、こうやってあらためて聴いてみると楽しいモンだなあ。すんなり乗れてしまう表打ちのリズム。民族の血だねえ。そういえば寒いところの民謡は表のリズムだが、あったかいところに行くほど裏のリズムが出てくるらしい、とどこかで読んだ気がする。そういや、沖縄民謡は表じゃないもんなー。

民謡のことを考えていたら、つながって思い出した人がいた。岸千恵子。ものすごく動き回って歌うので有名な民謡歌手である。だいぶ前の紅白歌合戦で見てこの人の「津軽じょんがら節」を見てびっくりした。思い出したら見たくなった。まさかインターネットには・・・と思ったら、ありましたね。すごい・・・空飛んでる。ロックだわ・・・。