番外編 恒例!初夏の松本探訪【食べ物編】その1

毎年5月の末には信州松本に旅行に行くことにしている。
大学が松本だったので懐かしいってこともあるが、毎年開催されている若き工芸作家の祭典「まつもとクラフトフェア」を見るのも目的である。ついでに温泉入って美味しいもの食べて・・・。
実はあんまり旅行をしない(経済的な理由でね!フン!)私が年に一度、思いきり食い倒れ、遊び倒れる貴重な数日間である。
2泊3日とはいえ、いろいろな出会いも発見もあり、得るものの多い旅であったが、とにかくまず食べ物!食べ物ですよ。
今回はハズレ無しの旅。

2ヶ月ぶりくらいに会った遊び友達R嬢と共に新宿から高速バスで一路松本へ。つもる話もありほぼ喋りっぱなしに喋り詰めて松本着。他のお客さんは静かだったなあ。ゴメンナサイ・・・。
まずは蕎麦食べたいねってことで、駅からちょっと歩いて「野麦」へ。すでに暖簾がしまわれているけれども、一応聞くだけ聞いてみようと中へ。蕎麦がなくなり次第閉店のこの店、ぎりぎり間に合ってありつけた私たち。とりあえずビールで乾杯し、少し待たされて出てきた極細の繊細なざる蕎麦を味わう。ひんやりして極楽。箸休めに出されたシイタケと野菜の炊き合わせも優しい味で美味。
その後、タバコで一服したいというR嬢を喫茶店「翁堂」へ案内。私が学生時代にさんざん通った場所であるが、まさかこんな熟女になってからまた訪れるとはね〜。
クラシックな喫茶メニューに、フルーツゼリーなどがあるのがおもしろい。R嬢はチーズケーキ、私はレモンゼリーを頼む。
写真はそのレモンゼリー。

この日は旅館で部屋出しの夕食を予定していたので、早々に切り上げ美ヶ原温泉へ。宿泊は「和泉屋善兵衛旅館」である。ここ、利用するの2回目だけど、かなりいいです。おすすめ!
食事はメインディッシュは肉だったものの、天麩羅や箸休めはのきなみ山菜、山菜で嬉しい。また川魚を昆布締めしたり燻製にしたりといろいろ工夫したものも出て、土地のものでもてなそうという心意気がすばらしい。私たちの部屋の担当になった関西弁のオニイチャンの気さくでかるーい、しかし酒のことになると急にマジ入る接客もまたよい。利き酒セットのあとに何かしっかりしたお酒が飲みたいというリクエストにおすすめしてくれた地酒は、銘柄は忘れてしまったが、日本酒なのにラム酒みたいに重口で甘くてとろりとして印象的だった。
食事が終わったのが夜8時くらい。オニイチャンにお布団も敷いてもらい、ほどよく酔っ払った私たちはちょっと横になるつもりでそのまま爆睡。R嬢は夜中に目覚めて温泉に行ったようだが、私はそのまま朝6時まで寝てしまった。気持ちよかった・・・。
朝、早めに目が覚めたので温泉へ。足湯まで堪能して部屋に戻って程なく朝食。
朝食はこんなんです。

ごはん、味噌汁に加えニジマスの一夜干し、土鍋に豆乳が入っていてその場で火を炊いて作る出来立て豆腐、宿の社長が直々に焼いてくれる厚焼き玉子、かまぼこにわさび漬け、アロエ入りヨーグルト・・・普段は朝はあまり食べない私だが、前の晩8時に寝てしまってその後なにも口にしていないこともあり、めずらしくごはんお代わり。満腹になったところでロビーに下りて、温泉水のコーヒー。思わず2杯飲んじゃった。
チェックアウトしてとりあえず松本の市街地に降りてぶらぶらと散策しているうちに、とある呉服屋さんのフレンドリーな接客にひっかかる私たち。
なんでもクラフトフェアの時期にあわせて生地などのセールをやってるそうだ。クラフト好きにはけっこう反物とか売れるらしい。
いろいろ話を聞かせてもらったり面白いものを見せてもらったりして、そろそろお腹すいたかな・・・という頃に、おいしいお蕎麦屋さんを紹介してくれた。ひとつは前の日に寄った「野麦」だったのだが、もうひとつが・・・ああ、書きたくない・・・あんまり知られてほしくないのだもの・・・だから店名は書かないが、駅からちょっと離れたところにある蕎麦屋さんであった。
いってみるとそこはおよそ蕎麦屋という雰囲気ではない。壁にはオペラ公演のスナップ写真が貼られ、小澤セイジの写真なんかもあり、みれば真空管のラジオなんかも飾ってあり、ちょっとダイニングバーな趣き。メニューを見ると、つまみもお酒も充実しているようだ。
とりあえずR嬢は盛りを、私は鴨つけそばを頼む。出てきた蕎麦が絶品だった!
ちょっと蕎麦のざらつき感というかツブ感の残ったコシの強い麺はそれ自体に甘みがあって、「まずはお塩で食べてみて下さい。」と供されたモンゴル岩塩で食べてみれば、それだけでお蕎麦の一山を食べつくせそうな美味しさ。いやー、ここは教えたくないっ!といってもまあ、有名になっちゃうのは時間の問題だろうなあ・・・。
ビールを飲みながら、極上の昼下がりの蕎麦タイムを満喫。
さて蕎麦の後、またもタバコが吸いたいR嬢を伴い喫茶「まるも」へ。ここは実は私が学生時代アルバイトをしていた店。当時とぜんぜん変わっていないインテリア、メニューにしばし安堵。松本民芸家具で統一された店内。あの頃は若かったから何も感じなかったけど、味があるなあ、やっぱ・・・。
ここでR嬢はチーズケーキ、私は林檎のタルトを。チーズケーキにかけられたブルーベリーソースがなんとも懐かしい。ブルーベリーって一時期ブームになったよねえ。
その後いろいろハプニングがありつつクラフトフェアを堪能して、夜。
やっぱ馬刺しを食べにゃいかんでしょうってことで、「萬来」へ。
馬刺しの盛り合わせと山賊焼き、地元のお酒で歓談しまくり。

この写真が馬刺しの盛り合わせ。白い部分がこりこりしてて脂っぽくて、たまりません。
この店の名物は知る人ぞ知る「山賊焼き」。塩味の鶏の竜田揚げみたいなものですが、胸肉をそのままフルサイズで揚げ焼きするのでかなりのボリュームです。レモンかけて食べるの、美味いよ!

仕事の都合でR嬢はこの日に帰京。
一人残された私の食い倒れ旅行はまだまだ続きます。

つづく