ビデオジャーナル41

90年代はじめから中盤にかけては、テクノが盛り上がっていた時期らしい。
テクノも細分化されてて、トランスだとかイタロだとかドラムンベースだとか何だとかいろいろあったみたいだが、テクノ黎明期からのテクノファンであったワタシには大同小異。どんな曲も同じベースとドラムのパターンで、その上にどんな音をのせるかだけの勝負になってるような安易な音楽に思えて好きになれず・・・だって昔のテクノの人はそれこそ音色から作り上げていったわけだしさぁ。プリセット音源の組み合わせだけで作ったような曲でテクノとか名乗られてなぁーとか思っていた。
そんな個人的な事情はさておき、その「どんな音をのせるか」の勝負の中にも流行り廃りがあって、ウエスタン調の音を入れるのが流行った時期がある。1993年頃だろうか。これはちょっと新鮮に聴こえて、90年代テクノを認めなかった私にも印象的だった。とくにバンジョーの音とフィドルの音をフィーチャしたものが多かった。

そんな中のひとつ。Two Cowboysの「Everybody Gonfi Gon」
当時はPVを見る機会は無かったのだが、こうしてみてみるとなかなか都会的でオシャレに仕上がっている。ちょっとトッポい女の子2人組みっていうのも90年代っぽい感じ。カウボーイをモチーフとしているけど、この曲を手がけたTwo CowboysというのはDJ Lashaなる人物の別名だそうで、この人はイタリアだかスペインだか、とにかくヨーロッパの人。泥臭さが無いのはそのせいか。

さてもひとつ。これもよく耳にしたなあ。The Gridの「Swamp Thing」
映像を見たのは初めてだけど、なんか真っ白なDEVOみたいでかっこいいじゃん。今回ここに書くに当たってちょっと調べてわかったのだが、このThe Gridというのは元Soft Cellの片割れ(マーク・アーモンドじゃない方)が関わったユニットなのだそうだ。へぇー。
となるとイギリス発カウボーイテクノってわけだ。

カウボーイといえばアメリカ。本国アメリカが送る代表的カウボーイテクノはRednexの「CottonEyeJoe」。前の2本に比べるとえらく小汚い。ネズミまで出てきたり、おいおいと思わせるような不潔さ。ほとんど悪意を感じるくらい。このビデオ、エロでも残酷でもないのにアメリカでは放送禁止を食らっている。「アメリ西部の人をバカにしすぎている。」というのが理由だそうだ。うーむ、そもそもグループ名の「Rednex」は「Rednecks」であり、農作業で日に焼けた首を持つ白人の農業従事者への蔑称。ジョーダンきつすぎたのね〜。

うーぬ、もし今後テクノに三味線や琴などの邦楽器の音色が取り入れられることがあるとするならば、日本の人が作るよりヨーロッパの人が作る方がオシャレになったりして。距離があってよくわからない分、美しい誤解があるからな・・・。