下北沢 落語大酋長「春風亭栄助独演会」

「常連の「ひ」さんとマスター夫妻のひそかな楽しみ」的にはじまったこの会、今回はじめて落語家さんを迎えることとなった。
春風亭栄助さん。名前は目に耳にしていたけれど、その実演を見るのは今回が初めてである。
落語は聞いていないが、TBS土曜ワイドの木村万里さんの時間にゲスト出演したのは聞いていた。
事前に得ていたイメージは、アメリカで不法就労経験のある落語家さん。それだけ。
そんな乏しいイメージのまま、会場となる小さなニューオリンズバーへ。
おぉっ、満員!!!
なんでも立ち見の予定の人がいたらしいが、今回たまたま強風で電車が動かずに来られなくなった人がでたそうで、会場はぎりぎり全員着席での鑑賞。
時間になって登場した栄助さん。まず目に付くのはそのマッシュルームカット。バナナマンの気持ち悪い方、あるいはふかわりょうと同じ髪型といえば伝わるだろうか。パッツリと一直線に切られた前髪のラインの下にギョロッとした目玉。挙動不審なカリメロ
なんかその、海外で出会ったら「東洋人であることは確かだが、日本人かどうかわからないなあ・・・・。」という風体なんである。香港人?中国人?韓国人?着物を着ても一向に「和」の雰囲気が出ない。思わず職務質問したくなる不審さ加減である。

一席目 「桃太郎」
まず普通にやって、その後「桃太郎DVバージョン」を。
連続殺人鬼の父親におとぎ話をねだる息子。デティールがいちいと血なまぐさく、ところどころ英単語をまじえてルー大柴みたいに。
前半に普通に演じた「桃太郎」の伏線が見事に生きつつ、どこか「アメリカンジョーク」的なテイストも。
「桃太郎」が終わったあとに、「江戸っ子検定」なるものの問題集を手に取り、みんなでやってみましょうということに。
しかしこれもネタだったですね。「ひろったお財布は奉行所に届けよう。」とか「こぶし腰浮かせとは女の子がパンティを脱がせやすくする仕草」とか、インチキばかり。あ、でも「こぶし腰浮かせ」の話はどっかで使えそうだにゃ。


休憩後「マザコン調べ」・・・、「大工調べ」のパロディである。
お坊ちゃんの母親がお坊ちゃんが恋するスーパーのレジ嬢の元に、「息子と付き合ってやってください」と言いにくる話。しかしレジ嬢が断っていると、「あんたそどれほどのモンなのよ?」と立て板に水で言い立てられる彼女の過去などなど。それって逆ギレだっつーの。
母親が怒るほど、それほど怒りは感じていないらしい息子のボンクラぶりが可笑しい。
しかし、レジ嬢の同棲相手のユウジさん、あんまり活躍が無いんでちょっと残念。彼がなんか言い出すかなと思ってたんだけどなあ。

ま、ともかく、何気に型破りな二席。堪能させていただきました。

終わったあと打ち上げ、というか残ってみんなで飲み食い。
栄助さんは途中で引き上げたのだが、その後ちょっとしてからお店に電話が。
「携帯電話を忘れた」という話らしく、とりあえずみんなで探す。しかしお店のどこにもなくて、誰かが「自分の荷物ん中にあるんじゃないの?」なんて言い出して、ほどなく栄助さんが戻ってきたが、彼の荷物の中を探したらやっぱりそこから携帯が出てきて大笑いだった。

ところで私は栄助さんを初めて見たときから「誰かに似ている・・・。」とずっと思っており、それが香港の映画スターではないかと思っていたが名前が思い出せなかった。そんなことを栄助さん本人を前に言っていたとき、会場に来ていた木村万里さんが言った。
「サモハン・キンポー!」
あっ!!確かに、確かにっ!!!
でも言いえて妙すぎて、本人を目の前にして沈黙するしかなかった私でした、ははっ。

というわけでなつかしの「プロジェクトA」の予告編なぞ貼ってみる。んー、なつかし。
香港映画数々あれど、香港映画のテーマソングといえばこの「プロジェクトA」のテーマが代表作っていうか、やっぱ真っ先に思い浮かぶと思うの、私たちの世代なら・・・。あらためて聴いてみるといい曲じゃないの。

とリンクした途端に動画が削除になったらしいので貼り直します。
「プロジェクトA」というパチンコ台のプロモーションビデオらしいのですが、ところどころに出てくるギョロ目のデブがサモハンですよ。