笑って笑って笑いまショー VOL2@四谷コタン

四谷コタンではオオタスセリさんが「コミックソングデー」というイベントを行っているが、この「笑って笑って笑いまショー」は裏「コミックソングデー」かもしれない。
前回は寒空はだか好田タクト、東京ガールズという組み合わせだったが、今回はそこに弱つよむ氏を加えて、ますますカオス度アップ。
いったいどういうつもりのラインナップ?ぜんぜんわからないとこが楽しい。

弱つよむ
オオタスセリさんのゲストで何度か観たことがある。スタイルは正統的コミックソングのギター弾き語りだが、身もフタも無い自虐的な歌詞世界が私はけっこう好きで、気になる歌い手さんであった。気になりながらも見る機会が無かったので、今回見られて嬉しい。
「美容整形クリニックブギ」の「美人に生まれればよかった〜。」とか「お金の歌(?)」の「だぁってお金が欲しかったんだもん〜」なんていうフレーズ、それを言っちゃおしめぇよ〜的なストレートパンチで、人間のダークサイドを軽やかにえぐっていく。笑いながらもちょっと心がヒリヒリ。
この人、単なる歌歌いにしては面白すぎるよなあ・・・と思ってたら、この後の好田タクトさんのMCで、以前はコントをやtっていたということが明らかに。なーるほどねぇー、やっぱりなんらかのお笑いのキャリアがある人だったのね。納得。

寒空はだか
私は特にはだかさんのファンではなく、はだかさんを目当てにライブに行ったことは皆無なのだが、ブッキングの関係でなぜか見る羽目になることが多い。なので、なぜかものすごく何度も観てるのだが、いつ観ても同じテンション。調子がいいのか悪いのかわからない。いつ観てもクオリティが均質なのだ。不思議な人である。
この日は海でなくなった兄が半漁人になってもどってくる「漁火」が出色だったのだが、ネタの合間合間に挟まった「昭和の芸人」ネタの仕草が面白かった。メガネをわざと落として探したりね。

東京ガールズ
おなじみのネタが多い中、ぎっちょんちょんの節にのせて都々逸の廻しっこみたいなことをやって、合間に本音ともネタともつかないトークをはさんでいくのが面白かった。女同士で、都々逸をサカナにおしゃべりしているような雰囲気がいい。都々逸はひとつひとつがすでに完成されてうまくできているものなので、上手に選んで並べて唄えばそれだけで高座として形になってしまう。そういう意味で落語と似ている。そこにプラスαで自分たちなりの味付けができるか否かが勝負。その兆しが見られた気がして、今後にさらに期待。ガールズの皆さんは芸人になる前は普通の勤め人だったとのことだが、そういう「普通の女性」としての視点も生かせると、もっとファンの幅が広がるだろう。
演奏は思うようにならなかったところがあったみたいだけど、ライブハウス的にはOKの範囲だったように思う。

そーいえば、東京ガールズが終わった後、タクトさん目当てと思われるお客さんが到着して、自分が来る前はどんな人が演っていたのかということを先に来ていたお友達に尋ねていた。で、そのお友達が東京ガールズについては「ああ、ボーイズ芸の女版だよ。」って説明してました。そーゆう風に受け取られているのね。いい傾向?

好田タクト
指揮者物まねとオーケストラこぼれ話トーク
私は彼を観るのはこれで3回目だが、似てるか似てないかはあんまり問題では無いということがわかってきた。
指揮者という存在そのもののパロディとして観るだけで、十分可笑しいもんなのだ。
モノマネもいいけど、私はオーケストラこぼれ話系のトークがとても面白かった。指揮棒ってグラスファイバーなどでできているからけっこう凶器になるそうで・・・自分の指揮棒で手を突き刺してしまった指揮者がいたとか。あと、終わってはいけないところで終わりにしてしまう老指揮者の話・・・みんな指揮者ではなくコンサートマスターの指示で演奏したそうな・・・。いろんな話を聞いていると、オーケストラというものがとても人間味にあふれた魅力的なものに思えてくる。
喋りが下手だとご自分で謙遜していたが、そうではなくて思いが強すぎて言葉が間に合わないだけなんだろうって気がしますね。でも、その思いはばっちりお客には届いているのでOKなのでは。

ライブが終わったらダラダラと歓談。
芸人さんもお客さんも一緒。
歓談タイムまでの流れが自然なのも、四谷コタンというハコの魅力かな。