大塚シネマクラブ「しゃべれどもしゃべれども」

めずらしく妹からメールがきて「土曜日ヒマ?」という。
「ヒマ」と答えると、大塚で800円で映画の上映会と落語があるからいかないか?という。
この日、柴草玲のライブに行こうかと思っていたのだが、予約も入れていなかったし何よりその800円という価格につられていってきました、大塚に。

場所は南大塚ホール。大塚の町おこしイベントのようだ。いただいたチラシには「第一回」の文字。毎月このような「映画プラスアルファ」な感じで開催していく予定らしい。今回はそのプラスアルファが「落語」なわけだ。
ロビーの物販では大塚オリジナルグッズがいろいろ販売。お米なんかも売っていた。チラシにあった「としまくんパン」というのを買ってみたかったのだが、売り切れていた。としまくんパン、チラシの写真で見るとなんだかうつろな宇宙人のようだったが、どうやら「ふくろう」をかたどったものらしいことがわかった。
ま、とりあえず、オリジナル日本酒「大塚ものがたり」が一杯300円で購入。酸味の無いワインみたいで、やさしい米の甘みと香りがなかなか美味しいお酒。これを妹と半分こしてちびちび舐めていると、なぜか妹が「クッキー焼いてきたの。」と。デートかよっ?日本酒のツマミにクッキーを食べながら映画のはじまるのを待つ私たち。
お客さんは圧倒的にOver中高年。地元の人なのかな?
上映開始。スクリーンに「DVD」の文字が出てちょっと脱力。そう、DVDをプロジェクターで映すタイプの上映会なんです。でもさすがに音響がよくて、イイ。映画館とは違いCMが入らないので、さくっと始まる本編。

映画はなかなかよかった。とくに子役の子が絶品。桂枝雀のビデオを見て落語に開眼するという役どころなのだが、そもそもファンなのだそうで、オーディションのときも枝雀の「まんじゅうこわい」を丸暗記して挑んだそうだ。なるほど、仕草などはびっくりするくらい、面影あり。あと、八千草薫がよかった。ステキ〜。
この子役がよすぎて、主役二人の恋愛模様がありきたりにみえてしまったなあ。キャスティング上「どうせくっつくんでしょ。」ってのがもう分かりすきっているから、そこまでのエピソードがもっと印象的でないと・・・。ほおずき市のほおずきとか、蕎麦屋でデートとか、イメージ優先でなんか安直な気がしてしまった。

映画の後は林家久蔵さんの落語。ネタは年末らしく「尻餅」であった。まったく知らない噺家さんだったが、いい感じに面白くて、気持ちがあったまって外へでることができた。
好きな噺家さんにこだわって聴き続けるのもいいんだけど、最近私はまったく知らない人の話を通りすがり的に聞いて、それが面白い、というシチュエーションが好き。だからといってその噺家のファンになるでもなく、その夜は「あー、おもしろかったなあ。」って気分が残って、次の日当たりはさらっと忘れてるくらいのが心地よいと思うようになった。
にしても「尻餅」って話、もともとエッチな含みのある話だったんだろうなー。牧歌的かつ民話的エロス。ほのぼのした時代だねぇ。落語を聞いた後、「オレも帰ったらカミサンと・・・♪」なんて、ほくそえみながら家路を急ぐの図、なんてちょっとイイもんだ。

しかし落語にでてくるおかみさんは、けっこう亭主のバカになんだかんだいいながら付き合うよね。
って話を帰りに飲みながら妹と話した。
「なんだかんだいってもダンナが好きだからってことじゃない?」と妹。
「いやー、ぜんぶ男が作った話だからだよ。」とは私。
この会話に、嫁にいけるかいけないかのボーダーラインを見た気がしました。ははは。
ちなみに妹は新婚さんです。