まとめメモ

ここんとこいっぱい見ているので、なかなかまとまって感想を書いていられず。
忘れないように備忘録ってことでとりあえず。
(てか、このままになる可能性もあり・・・。)


13日 谷中寄席
谷中芸工展の恒例イベント。柳家小はん師とゲストによる無料演芸会。毎年、新内の人とコラボしていたそうだが、今年はスケジュールがあわず、谷中在住の琵琶奏者、川嶋信子さんをゲストに。
小はん師 「味噌蔵」
川嶋信子「本能寺」
小はん師の落語は無駄が無く、さらりと江戸前。余分なところも足りないところも無い。このシンプルさがいいのだろう。
琵琶の音色はこの上なく悲壮な音で、悲劇にしかなり得ない物悲しい激しさ。でもこの禁欲的な感じがまたいいのよね。
引っかくような音やたたくような音など、効果音的な使い方をするのも特徴。同じ日本の楽器でも三味線とはだいぶ楽器に対する思想が違うようだ。
奏者の川嶋信子さんは、口を開くとなかなかおきゃんな才媛。演奏の合間のおしゃべりはハキハキと明るい。
曲が悲しいものが多いため、せめてトークで明るくしたいのだという。だから小噺などを教えてください!という信子嬢に、小はん師「喋りの方がウケるようになると、そっちのほうが楽で儲かるから楽器がおろそかになってしまう。やめておきなさい。」と辛口コメント。しかし例として「たとえば堺正章・・・もともとは音楽をやっていたのに、今はおしゃべりばかりでしょう?」だって。


14日 埼玉うたごえ合唱発表交流会
合唱の会だが、うたごえ協会はわりとパフォーマンス重視なので楽しめた。私もアコーディオンアンサンブルで参加。ホールの作りが良すぎて、ステージでは自分の音がほとんど聞こえず。ぜんぶ、客席に向かって出ちゃうみたいね。でもそれなりに楽しく演奏。「日曜はダメよ」「カチート」。楽しい楽しい。


19日 さのさナイト
一年ぶりくらいかな。柳家紫文さんのお弟子さん達がやっているゆるいイベント。三味線の弾き歌いをしながら接客するというのは新鮮だし、もっと話題になってもいい会だと思うんだけどねー。女性向けの情報誌あたりがこの存在に気がついてもよさげなのだが・・・。この日は雨のせいかあまりお客さんがいなくて、とっても贅沢な時間をすごさせていただいた。それにしても、みんなほんとに三味線好きなのねー。「次はアレにしようか?」とか「アレやってみる?」とか、次の曲を打ち合わせる目配せの中に、面白くてたまらない!という空気を感じ取る。いい気分でお銚子三本空けた私。至近距離で三味線聴くと、脳にしみこむ感じがして気持ちいい。
師匠の本から都々逸をいくつかリクエストして唄ってもらったりした。気をつけないとどの唄が好きかで人生観やら恋愛観やら人格まで読まれてしまいそうでちょっと怖いが、それを肴にして呑むのも楽し。小寿々さんが仕事先で会った芸者さん(?だったかな、まあそういう仕事の人)が「あ、あたし、これがいい、コレが好き」と言った都々逸が「女房にゃいえない仏ができて・・・」だったという話もそのとき聞いた。何があったんでしょうねー、その人。


20日 日替わりスセリ劇場
何をやるか、どういう風にやるかまったく決めずに始まった永六輔さんとスセリさんのトークバトル。とりあえずじゃんけんをして負けたほうがなんか喋るというルールが会の最初に決まる。しかししかし、負け続ける永六輔氏。立て続けに喋る羽目に。でもさすがです。オチのあるエピソードをたくさん持っている人で、いくらでも話が出てくる出てくる。それを見ていたスセリさんが「自分も喋りたい〜。」という表情に。最初は二人ともわけがわからないので尻込みしている感じだったのが、途中お互いに「喋りたい欲」に火がついてからは、怒涛のエピソード合戦。面白かったぁー。お互いの話題に触発されて、あちこちに転がるライブトーク
その場で決めて、その場で作り上げるライブ。同じものは見ようったって二度と見られない。
後半はエッセイ集「デカい女」から「篤志の叔母」を語りで。面白おかしくハチャメチャに語りつつも、ラストの方ではスセリさんの目が潤んでいたように見えた。なんだかんだいいながらそんな叔母さんが実は大好きで誇りに思う気持ちがあるんだろう。愛が伝わって、私もちょっとジーンとした。
お客に子供がいたが、最後のコント「悪夢」で、ものすっごくうれしそうに笑っていたっけ。子供って壊れた大人が好きよねー。


21日 桂米佐独演会
紫文さんがゲストなので・・・と出かけてみた。最初から最後までなんというか「きれいな」会。破綻無く、いい流れで気持ちよく、心地よく。泥臭さ、汗臭さゼロ。いいねえ、こういうの。テレビを見ていると「オレがオレが」の芸ばかりで暑苦しい。そういうのとは無縁の、引き算の美しさを知っている人たちの作り上げた会だなーと思った。ガツガツしてないのよね。
こーいう会のときって紫文さん強いなあ。決して押しの強い芸ではないのに確実に強い印象を残す。けど、次の人の空気に響かないようにさらりと消えるというのは見事です。
それにしても前座で登場した吉坊さんの年齢不詳ぶりにびっくり。下手すると性別もわかんないかも。
米佐さん、もう嫌味なくらい余裕余裕って感じ。でもそれが「きれい」の要因だろう。
非常にスマートな大人の会でございました。


そんなこんなで遊びすぎの1週間。
あーもう、今後は節約節約。