絹16「ぎゅっと渦」2日目
いやー、最近夜が眠くていけない。
ライブから帰ってきて、ちょっとぼんやりして、ふと気がつくと床(ゆか)に寝てたりする毎日。
けっこういろいろ観たり、自分で出たり(?)してはいるのだが、書くのが追いつかない。
そんなわけでこのBlogもリアルタイム性を欠きつつある昨今である。
木村万理さんのプロデュースのお笑いライブ。
下北沢の小劇場でそれは定期的に行われている。私は今回はじめての観賞。
真っ黒な壁、ひな壇みたいな客席。うーん、絵に描いたような小劇場。
さてそれぞれの出演者、大部分が本なりCDなりDVDなりを出しているので、今回は可能な限りリンク貼ってみました。
だるま食堂
ボインボインショーではなくて普通のコント。献血の勧誘に勝手にハモる子ども達、肝心なところが聞こえない社内アナウンス(これ、真っ暗闇に声だけというネタ)、なくて七癖ダイエットなどなど。お得意の美しいハモリやパンチのきいたダンスを生かした音楽性の強いネタだった。あの扮装をしなくても、衣装やメイクを含めて3人のルックスは十分マンガチックでよいです。メッセージ性もオチもなく、100%ナンセンスなところが好き〜。
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U字工事
何度かテレビで見かけて気になっていた。栃木弁落語の二人組み。今かなり笑いの神様がついてる感じで勢いがある。私も栃木県民なので、二人の会話を聞いていると地元に帰ったような気分になり、お笑いとしてどうかという以前に「いるいる!こういう人」っていう意味でおっかしかったなあ。タヌキに化かされるオチがあったり、やたらコアな農業用語(種苗メーカー名やとうもろこしの品種名)が出てきたりするが、田舎をバカにしてるわけでもない視点が新しい。漫才といっても、小さなコントの積み重ね的。「ラーメン屋」の話は圧巻だったなあ。過呼吸になるくらい笑えた。
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柳家紫文
着物に三味線で、なんかフツーに登場。U字工事でガーッと熱くなった客席を冷まし、空気を整えて次に渡す・・・寄席で言うところのヒザみたいな印象だった。過不足無し。文句のつける隙がなくって、逆にそこに私は文句をつけたくなったりするのだが、全体の流れを考えるとこーゆう感じで正解かな、とも思う。やっぱ「寄席の人」だねぇ。しかし「火付け盗賊改方・・・」ってセリフが出てきただけで笑いが起きるんだから、確実に定着の平蔵シリーズ。
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松元ヒロ
ひとり芝居+パントマイム。正義感の強い男が電車の中で脚を組む男を注意し、反撃されたところを息子に助けられる・・・というちょっといい話なんだが、何気ないマイムがピシッとキマってる。私はあんまり、こういう心温まるエピソード的なのは好みではないけど、ラスト、スローモーションになっていく動きのところは感嘆した。スローモーションの映像にしか見えないんだが、ソレは今、目の前の肉体で演じられている動きなのだ。スゲエ。
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寒空はだか
めづらしく東京タワーの唄がなかったのだが、十分盛り上がった。皇室漫才が秀逸。私にはこの人のサブカル的なコネタが鼻につくことがあるんだけど、今日はそーでもなく。ぜんぜん関係ないのだけど、最近はだかさんのことを話をしていて「はだかさんが、はだかさんが・・・」と口にしていたときに、事情を知らない人が通りすがりにこの会話を聞いたらなんと思うだろうかとふと考えた。ヘンだよね、やっぱ。
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清水宏
この人は今回初めて。一度幕が閉って、再度開くとそこには高座に座布団。それも赤い生地に黄色い水玉の座布団。あごに付け髭つけてアラブ人を模しつつ、へんな着物で登場の清水宏。イラン人落語家、三遊亭ハッサンに扮して子別れを演じるという二重構造の落語。ずーっと片言のへんな日本語で演じられる上、親子再会の舞台となるのはデニーズ。なのに、ちゃんと感動出来ちゃうあたり、落語の持つテキストの強さを感じた。しかしハッサンのキャラ、強烈!このキャラに会いたくてまた観にいってしまいそう。
この人だけメディアが何にも無かったー。残念である。
個性豊かな出演陣ながら、後の出演者が前の出演者の話を受けたネタをアドリブではさんだりして、全体にきれいな一本の流れが出来ていた気がする。寄席っぽい流れだ。
いろんなお笑いの人を集めてきてぶつけるのは「笑いの人間交差点」みたいなのだけど、紀伊国屋ホールまでいかなくて、もっとライトな感じで、見るほうも演るほうももーちょっと気楽で。
この会自体、「平成の新しい寄席」みたいだな。