笑って笑って笑いまショー@四谷コタン

好田タクト寒空はだか、そして東京ガールズという奇妙な取り合わせのこのライブ、どういうわけだか3人が3人ともあまり告知をしなかったらしい。それに会のタイトルも決まっておらず、「笑って笑って笑いまショー」というのは、終わった後にきまったという。おいおい!
開演の約10分ほど前に会場に着いて、私は驚愕した。私を入れてお客さんが3人しかいなかったからである。
これでは出演者よりお客の方が少ないではないか!ちょっとドキドキしてビールを飲んでいると、そのうちポツリポツリとサミダレ式に席が埋まりだし、最終的には13,4人程度集まった。
見回せば、どこかであったことのある顔がいっぱい・・・。「嗅ぎつけて集まってきた」という感じのモノ好きなお笑い好き(しめし合わせているわけではないのに、ライブに行くとけっこうな打率で顔をあわせる顔なじみさん達♪)に加えて、開演前に好田タクトさんが電話掛けまくって集めた知り合いのお客さん達という組み合わせの客席。つまり、みんな誰かしかの顔見知りという、アウェイ度ゼロの状態でライブは始まった。シークレットギグみたい。

好田タクト
お気楽シアターで初めて見たとき、それはそれでけっこう楽しんだのだが、指揮者ものまねの元ネタがわからなかった。「わかればもっとおもしろいのかも。」とYoutubeで指揮者動画をいっぱい見て予習してから挑んだ今回の結論!元ネタ知らなくても知っててもあんまり変わりません。へんな顔と身振りで暴れる様のおかしさは理屈ぬき。物まねの合間のトークのオーケストラ指揮者こぼれ話も楽しい。その奇天烈さは昔の芸人のエピソードに匹敵するくらい。やっぱ、芸術家ってヘンな人が多いのだ・・・・。その上、話に出てくる人の会話がぜんぶ関西弁なので、世界的な指揮者の話なのにまるでご近所エピソードみたい。もっと話を聞きたかったー。
帰り際にコタンの外でタクトさんに「今回は予習してきました!」と言ったら「そんな予習したらあかん!バレるやん。」と言っていた。


寒空はだか
彼の芸は私にとってはあたりはずれがあって、ノレないときはまったくダメなのだが、今回はびっくりするほどツボにはまった。まず森本レオの物まねにノックアウト。スイッチ入ってしまって、そのあとは何を聞いても可笑しかった。とくに「落研ハイスクールロックンロール」(ツッパリハイスクールロックンロールの替え歌)、歌詞がものすごくよくできている。アカペラで聴くのがもったいない。ぜひバンド編成で聴きたいもの。「カヤバコーヒーの唄」・・・カヤバコーヒーはうちから徒歩20分くらいのところにあって、いつか入ってみたいと思っていた喫茶店。でもいつも閉まっているので、2件となりの谷中ボッサに入ってしまうことが多かったのだが、休業中だったのね・・・とはだかさんの唄で知った私。

東京ガールズ
ライブハウスなのに、楽器を持ってでてきたのが彼女たちだけ!3組中2組手ブラというみょーな状況でトリをつとめた東京ガールズ。今日は3人編成で珍しく小寿々さんがまったく三味線をひかず、ずっと鳴り物であった。新ネタでは例の隊長の例のキャンプに入隊するなど健闘。しかしネタよりも唄と演奏のときの方が数倍輝いてみえる。会場のもつ雰囲気のせいか、バンドっぽさが強調されて。客席で「30代前半」くらいの「女性」が「惚れ惚れ・・・」「あこがれちゃうー」といった感じで聴き入っている様子に、今後の「東京ガールズ」の可能性の一端が隠されているよーな気がした。若い世代に聴かせたい。高校生とか大学生とか、子どももけっこうイケルと思う。(という話はライブ終わってからの雑談の中で、複数名から出てきたので、私だけの意見ではないゾ。)今回欲を言えば小糸さんがせっかく自由だったので、動きがあるともっとよかったな。

3組終わったところで誰か締めの挨拶をするのかと思ったら誰も何もせず。なし崩し的にライブ終了。おいおい!でもなんとなく、まあいいやーという感じでそのまま歓談タイムに突入するのが大人のいいところ。芸人さん全員と残ったお客が座って飲んでも適度がゆとりのある人の数だったので、ゆったりまったりいろんな話をいろんな人と。次の日が休みという気の緩みもあり、初めてコタンの閉店アナウンスの時間までいてしまった。小寿々さんの「3回骨折した話」、小糸さんの「クリープの好きな子どもの話」が妙に印象に残っている。実になんというか・・・似合った話だった。普通に話してても何気にキャラ濃いなぁ。人柄の面白さがもっと高座ににじみでるようになるとよいと思う。

そーいえば邦楽エンターティメントといえばこんな人がいたっけ、「うめ吉」。話題になったのは90年代後半くらいだったか。今も寄席にはでているみたいだけど、こういうポップなアプローチは続けているのかなぁ?面白いアプローチとは思ったけど、ちょっと洋楽器を混ぜすぎていることと、かぼそい声が頼りなくて私はあんまり好きじゃなかった・・・。でもけっこう20代後半から30代くらいまでの高感度な音楽好きタイプの人たちが好んで聴いてたんだよね、当時。まあ、ニーズはあるわけだよな。
(調べてみたら健在。最近はなんとFUJIROCKに出たりしてるらしい。いやはや。)