ペーソスな夜★下北沢

北沢タウンホール、12階スカイサロンにて行われたペーソスの「リサイタル」。
写真はそのステージ。背面はすべて窓で、下北沢の夜景が一望できる。この写真ではまだまだ明るいが、これが徐々に暗くなってきて、さらにこの日は天候不順のため雷鳴が轟き、稲光が
入場料は1000円でホッピー付き。一杯目のホッピーは料金に込みで、二杯目以降は有料。焼き鳥や枝豆など、簡単なおつまみもあった。
にしても、1000円は安い!客としては安さは大歓迎だけど、安くするために主催側が無理を重ねてやせ細り、イベントが継続できなくなってしまうというのではセツナイ。主催者さんは過度なボランティア精神を律し、適度に儲けて下さいませ。
今回のペーソスは2000円〜3000円の間でも納得できる充実したライブであった。

休憩を挟んで約2時間。ねっとりじっとりペーソスアワー。ペーソスファンにはおなじみの曲から、初めて聴く曲まで盛りだくさん。曲調はぜんぶが同じよーな感じなのだが、専属司会スマイリー井原さんの喋りが効果的でぜんぜん飽きない。
「ペーソスを観るのが初めての人、手を上げてください。」とスマイリー井原さんの問いかけに、会場の半分近くが手を上げた。うーん、いいぞいいぞ。初めての人が呆気にとられ、爆笑して、じわりじわりとペーソスが大好きになる、そんなプロセスを空気として体感できたのが楽しかった。開演前に少なくともホッピー一杯は飲んでいる人が大半を占めていたので、客席の反応も上々。相乗効果でいい感じの盛り上がり。

何を演ったのか全部は思い出せないけど、初めて聴いた「ゆれる二の腕」「風に揺れている」「女の一夜干し」などは大人ムード全開でよかったー。「大人」という言葉は、ファッショントレンド的には「ワンランク上、ハイセンス、ハイプライス」なものを示すのだが、あれはしょせん虚構。ペーソスの大人はリアル。心も体も徐々に弱っていくのが、「大人になる」ということの一面の真実。それを噛み締めるちょっとしょっぱい笑い。
Voの島本さんの手振りが独特でいい。「揺れる二の腕」で見せた「怖い怖い」という身振り、「女の一夜干し」で「心開きます」と両手をあわせて開いてみせる仕草、アンコールの「霧雨の北沢緑道」での「前立腺が腫れてます」のところの手の動き、などなど。ぞんざいなようでいて小技が効いている。
2時間も見ていると、なんか可愛く見えてきた。雨に濡れそぼった仔犬・・・いや、老犬のような哀れっぽい可愛さだ。
あぶなーい。惑わされてる・・・・。

ゲストにアルトサックスのスエイさんと言う人が参加。なんと白夜書房の取締役さんだそうだ。島本さんとのブルースハープ&サックスバトルがなかなか見ものだった。演奏テクよりパッションが勝った戦い。

楽しく過ごした後、同行した友達と近くの中華料理屋へ。ビールで乾杯して駄弁っているところに、女性が入ってきて「20名くらいの団体ですけど入れますか?」と。店の人が「大丈夫ですよ」と答えるや、ドヤドヤと入ってきた団体はなんとペーソス&スタッフご一行様。打ち上げ会場だったんですねえ。