ビデオジャーナル14
なぜか昨年から、正月早々親と一緒に戦争映画を見るというのが恒例になりつつある。
父も母も小学生くらいのときに実際の戦争は体験していて、とくに父は父親を戦争で亡くしていたりして、そういう人たちが今、フィクションとはいえ「戦争で人が死ぬ」という映像を見るのはどんな意味を持つのだろう?
と、一緒にスクリーンを眺めながら考える。でも、たぶん私には一生解らない気持ちだろう。
しかし、今生きている私たちは、自分の生きている位置で自分なりに戦争ってものを消化しておかないといけないのではないか、なんてことを思ったりもする。
そんなこんなで戦争にテーマを持ったPVを漠然と探してみたりしたワタクシ。
エンターティメントを生業とする人たちこそ、こうしたテーマには敏感であって欲しいと思う。どんな形にせよ、テーマとして忘れ去ることのないように、とも願うばかりだ。
ポール・ハードキャッスル「19」
ベトナム戦争で戦死した兵士の平均年齢は19歳だったらしい。それをテーマにした作品である。いかんせん、英語のわからない耳には、映像無しだと単なるカッコいいインスト曲に聴こえてしまうのと、映像を見ても編集が上手すぎてかっこよく見えちゃう。ってのがちょっとどうかな、っておもうところだけど、ラストの部分、少年の写真が星条旗の星のひとつになってしまうシーンで皆さん、いろいろ考えて欲しいもの。
あ、でもこの曲そこそこヒットしたので、小林完吾ナレーションの日本語バージョンってあったそうですね。聴いてみたいな。
ラムシュテイン「Amerika」
戦争モノではないが、20世紀の戦争のほとんどにアメリカが関わっているってことで。
アメリカ文化に洗脳されっぱなしのアジア、アフリカ、中東を皮肉ったPV。こういう作品がアメリカの自国内から発生してくるようなら、アメリカも捨てたモンじゃないなーと思うんだが、ラムシュテインはドイツのインダストリアルロックバンド。ヨーロッパ目線のアメリカ批判なので、日本もアメリカかぶれ代表として扱われている。
ラストシーン、自作自演国家アメリカを痛烈に風刺しているようで好きだ。
アル・ヤンコビック「Christmas At Ground Zero」
クリスマスに核戦争が起こったら・・・というネタの曲。1985年頃発表だったので、レーガン大統領がちょこっと出ている。「The Day After」という核戦争を扱った映画がアメリカでブームを巻き起こした頃で、このビデオの中にも「核爆弾が落ちたらこうしましょう」的な教育映像が使われている。どうやら、アタマをかくしてその場にうずくまれ!ということらしいですな。そんなんじゃ助かるわけ無いのに。
これはアメリカ発のパロディだが、作者のアル・ヤンコビックのお父さんはユーゴ系移民である。
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