春風亭昇太独演会 昇太ムードデラックス(10月23日)

よくライブ会場で顔をあわせるうちになんとなくお知り合いになった「お笑い友達」(ってヘンだな。)のHさんから、チケットがあまっているのでいかがですか?というお誘いがあったので行ってみた。
春風亭昇太という人はけっこうテレビでも見るし、個人的にはなんとなくイメージも人気も確立してしまっている感があって、「うーん、いまさらなあ・・・。」と思っていた芸人さんだったのだが、一度くらい見てみてもよいでしょうということで、軽い気持ちで下北沢へ。チケットは2枚あまっていたので、ヒマにしていたウチの妹も巻き込んだ。と、ところがなんと、席が最前列だった!いいの?こんな平熱姉妹が一番前で見てて????

ジャージの上着にデニム、ハンチング(だったと思うがちょっと記憶あやしい。)の昇太さん、出てくるや否や、浄水器にまつわる体験談、不動産探しのエピソードなどをしゃべりまくる。第一印象は、か、軽い・・・なんて軽い人なんだ・・・、と思いました。テレビで見ていた印象とそれほど変わらない。
前座(じゃなくてゲスト)は神田山陽さん。この人もどっちかというと軽いと思う。テレビ、ラジオの印象と変わらない。二人ともタレントっぽい。

悋気の独楽
「宴会の花道」(だっけ?)
「不動坊」

聞いている間はうまいとか下手とかぜんぜん考える隙もなく、とにかく笑わされてしまった。軽くて明るくて楽しくて、後にもたれる感じが無いってのが、気楽でいい。何も考えないで笑っているうちに、目の周りの化粧が大変なことに・・・。
仕事をして生きていると、毎日多かれ少なかれ戦いだ。なので、娯楽のときくらい戦いたくない、構えたくないってのが最近のワタクシのスタンスでして、その点でいうとこの人の落語はヨイ。肩凝らないもん。なんかねー、同僚の男の子(敢えて男の人、ではなくて)と色気のない居酒屋で思いっきりおしゃべりしたあとみたいなスッキリ感が残ったのでした。
そういえば、糸井重里氏が昇太さんを応援していて「天才的な目下感」と評していた。わかる気がした。いつまでも「後輩」って言葉が似合う人。いつまでも「目上」にならないキャラクター。会社に一人くらい欲しいな、こういう人。
妹はあまり演芸やお笑いをライブで見る方ではないが、非常に古い体質の会社に勤めていた時期が長いため、宴会の話は身につまされたようだ。しばし姉妹で、「自分だったら4000円分、何を食べるか。」と話し合ったりした。「不動坊」は私の大好きな話で今まで何人かの人で聞いているけど、一番マンガっぽかったなあ。それも日本のじゃなくて、アメリカのハンナバーベラスタジオの絵柄でアニメ化したら似合いそうなCatoonな感じでした。

帰りはちょっとだけ下北沢で呑む。タラ入り湯豆腐、焼き牡蠣、はまぐりなど、どれもこれもが異様に美味い居酒屋で、大雨にもかかわらずご機嫌。笑った後飲む酒ほどイイものはないねー。田辺聖子の小説の主人公みたいに、「さ、また人間商売、はじめよか。」ってな気になります。