みたか de きいたか Vol11

どうも最近ライブと実生活の折り合いが悪い。仕事やら家庭の事情やらがあって、出先から会場に直行というパターンばっかり。べつに毎日忙しくしているわけではないのに、なぜだかライブの日にうまいこと用事が重なるの・・・。そうなるとどうしても着物や浴衣を着ていくことができなくてつまらない。まずは着るものから気分を盛り上げるっていうのが楽しいのにさ。今回は妹の結納と重なってしまったため、小山から湘南新宿ラインコースで新宿経由、三鷹へ。まったくおとなしい洋装での鑑賞に、いまいちテンションがあがりきらない私だったのでした。だって今年、浴衣二枚も買ったのに・・・ぜんぜん着る機会無いのよ・・・。部屋の壁に空しく吊ってあるだけ。

今回の「みたか de きいたか」は、かのペーソスがゲスト。

甘えたい

甘えたい


人間交差点」で初めて観て、「どっかでライブがあればぜひまた観たい!」とペーソスの公式サイトでスケジュールをうかがっていたのだが、なかなか都合があわずに何度も断念していたのでラッキー。しかし紫文さんとペーソスの芸の上での接点がわからず、ちょっと意外な組み合わせだった。まあでも国勢調査みたいに「性別・年齢・職業」・・・っていうふう分類したら同じカテゴリには入るなあ、確かに。

前座は東京ガールズの皆さん。これまでに一人一人の高座は見ているけど、3人セットは今回が初めて。いやー、ハデですね。紫や赤の市松の着物に原色の簪。唄や演奏のクオリティに関しては私は無知なのでよくわからないのだが、あのビジュアルだけでもいろんなニーズがありそうだ。パーティとかお祭りとか、イベント関係に呼んでみたい。各自の役割分担がいまひとつわかりにくいので、それが今後の課題でしょうかね。にしても小糸さんって良い声だなあ。

次に紫文さんの「応挙の幽霊」を挟んでペーソスの登場。専属司会のスマイリー井原さんがいないのが残念だったけど、そのかわりVoの島本さんの味のあるトツトツとしたMC。自虐、含羞、哀愁、その中にほんの少し混じっている媚態がなんともいえない。ときどきメガネを直すしぐさにしびれる。惨めさは男の専売特許。女はこれを笑いにするのは難しい。曲順は忘れてしまったが、「涙腺歌」「甘えたい」「おやじいらんかえ〜」「霧雨の北沢緑道」などなど、プラス新曲「もったいない」。ギターとボーカルだけのシンプルな構成なのに、演奏の薄さをみじんも感じさせない。ギターの低音が腹に来る。(ちょっとスピーカで音が割れてしまったのが残念。)演奏以前に、二人が登場しただけで空気の色が変わる。衣装も立ち居振る舞いも、自然に見えてけっこう計算されていると見た。

ペーソスに続いて紫文さんが鬼平の新作をいくつか・・・「仲見世」「がんもどき」などなどとにかくくだらなく脱力。「ダジャレなら誰でも笑えるから。」って以前どこかでご本人が言っていたのを思い出した。お客を差別しない笑いである、と。この考え方は私もとても好きなので、それを知っていて聞くとまた味わいが違ってくる。

それはそれで面白かったが、ライブとして全体の流れを考えると紫文さんとペーソスの間に別の時間ができてしまっていた印象。それぞれを別に観たら印象に残ると思うけど、並んでしまった分お互いに作り上げた空気を打ち消しあってしまったところがあった。ゲストのペーソスの世界観を受けたものでつなげられれば、全体に統一感が出てよかったかも・・・。といってもなかなかつながるポイント難しいな・・・うーん、今さらながら考えてみると「艶笑都々逸」みたいなものならもしかして、「男の情けなさと可愛さ」みたいなコンセプトでうまくつながったかな。
面白い人をつれてきてそのまま見せても、面白くて当たり前。なんかもう一歩!もう一歩踏み込んだものが欲しかった。それと、大ネタ→ゲスト→おなじみ&小ネタという流れだったのを、小ネタ&おなじみのネタは前半にして、大ネタは後に持ってきたほうが印象的だったかもなあ、と思ったりした。(勝手なこと言ってますねえ。スミマセン。客なんてワガママなもんなのですのよ。)

さてさて、洋服だったので打ち上げはいつもより料理が食べられた。お客さんで来ていた木村万里さんともお話をさせていただく。しかしその内容というのが、「かつら・入れ歯・白髪染め」のお話・・・。うーむ、こんな話題に盛り上がってノッてくれる木村万里さん、(一緒にお話した小梅さんも)ステキです。人と人との間には、無駄話こそ貴重なのだー。楽しい〜。