自己ライブへの道 その2

マジですかぁあああ???
と毎日問い直したくなるようなスケジュールの6月であった。
でかける先があるわけではないのだが、本人がクリエイトしなければならないものが山積みだったのである。
月末の東京デザインセンターで売る商品のために深夜までミシンをかけ、昼間は問屋街めぐり。
7月アタマの研修で使うテキストのオリジナル原稿作成。アイディアを練るところから、文章書いてレイアウトしてイラストとか入れるとこまでの原稿を作る。
プラス、その6月25日には安請け合いしてしまったアコーディオンの初舞台があって、2曲しあげなくてはならない。
というよーな感じ。
そうしながらも、食い扶持を稼ぐためのお仕事はちゃんとしなくてはならない。
よく寝るヒマあったなあー。

そんなこんなで何度か宮川さんのスタジオに出向き、練習させていただくことしばし。どうやら私がリズムというものを理解していない、ということが本番3日前に明らかになる。
い、いまさらそんなことが判明しても・・・。
恐縮する私に容赦なく、「手拍子しながら唄ってみて」との指令。
やってみると、4つ打ちの中に納まるはずのメロディがどーしてもうまくはまらない。
何度も何度もやってみて、自分の浅はかさを思い知ると同時に、「あ、こういうやり方もあるのか。」と目からウロコ。
今後楽譜を読むときはこうしようー。
それはさておき、そんな直前モードでCodaの部分のリズムがまったく取れていないということがわかったわけで、3日後のステージに上がるのがとっても不安になった。
そもそも、「じゃあ、発表会で弾いてみる?」って言われたときに、すごく規模の小さいものを想像していた私。
たとえばちょっとした会議室の中でパイプ椅子ならべてやるとか、そーいうのを考えていたら、なんとなんと某市民会館の小ホールが舞台だったのである。照明も当たってしまうのである。客電も落ちてしまうのである。
ビビるって。

そしてただでさえ不安なところに、一緒に弾くはずだった彼から電話が・・・・。
「指に怪我をしてしまってギターが弾けない」と。
これは中止になるかな?と思ったら、「代わりの人を用意したから大丈夫。」
そんなわけで、当日はじめて会う人と舞台に上がることになったのであった。
ええええー、プロじゃないんだからさー。
その人が若いのかトシなのか、男か女かさえわからないまま、当日は会場へ。

果たして現れた人はベアー系の優しげな男性であったが、私以外にもうひとり同じ状況になってしまった女性ともデュオをやるはめになっていた。その女性は当然ギターだからいいでしょうが、私なんかアコーディオンだもん。
その日初めて会うって初めてあわせる上に、勝手がわからない楽器で失礼いたしました。
「初めての楽器とあわせる仕事もおおいから大丈夫ですよ」って言ってくれたけど、それは相手がプロなんでしょうからね・・・。

事前に通しで合わせたのは一回・・・で結局ステージにあがってしまったのだが、案の定不満だらけの結果となってしまった。
一応、かたちにはなっていたけど・・・うーん、やっぱり人前では、自分の内面にある以上のものは出てこないのね。
って思いました、ははは。
練習不足すぎて話になんない。

でも今回、楽しかったのは打ち上げ。
バーを貸切でやったんだけど、お酒が入って興がのってくるとセンセーから指名が飛ぶんですね。
「○○くん、あれ弾いてよ」とか。
で、片隅で演奏が始まる。順調に弾いていたと思えばつまづいたりして、そこに容赦なくまわりからツッコミが入る。
そのムードが楽しい。私が好きな音楽の在り方はコレなんだ、って思った。
舞台に上げられたものを、ショーケースを覗き込むみたいに鑑賞するのより、お酒や食事などの人の輪の中に楽器があって、演奏がインタラクティブに溶け合ってる様がよい。
会話をするみたいに、楽器が鳴っているのがよい。

まー、いろいろ反省点は多いが、結局楽しめちゃった分といろいろ勉強させてもらっちゃった分、得しちゃったのかな・・・それも無料で。
ほんとにありがたい体験だった。
しかし、そもそもクラシックギターの発表会。
とうぜん私以外全員ギター・・・というところにたった一人、アコーディオンでよく参加したなあ、私って・・・。
それも巧ければいいけど、ヘタクソなのに。
よくよく自分のふてぶてしさを実感した体験でもあったのでした。
ホント、ずうずうしいです、ゴメンナサイ。