三鷹 de きいたか Vol10

四季催行の柳家紫文さんのライブ。
スコールのような大雨の降る中、「(自分の中での)決め事だから・・。」と着物を着ていく。(だって初めて行った日から、ずっと着物で通しているから・・・着物を着ることが私の「文鳥舎プレイ」なのだ。)会場で紫文さんをはじめ各方面からお褒めいただき気をよくしたが、私の着物の柄がクラフトワークの衣裳にインスパイアされていることを見抜いた人はいなかったわね。(当たり前か、あはは。逆に、いたらビックリ)

Expo 2000

Expo 2000

前座、小糸さん。私はお初に高座を拝見するが、ずいぶんと場数を踏んで手馴れているという雰囲気。安心して観られた。高座から下がってきたときに、私の目の前の椅子に帯が引っかかったときの様子が小動物みたいで可愛かった。


紫文さんのステージはおおまかにいうと、前半「鶴八鶴次郎」の新内バージョンといつもの鬼平で、休憩を入れて後半は鬼平の後日談という設定で平蔵と芸者の会話で都々逸などをはさみながら進めるネタ(全体をトータルで「大平蔵」?)とプラス「暢気節」であった。あとはとにかく喋り。喋りが面白かった。早稲田の講座をやっているせいもあってか、いわゆる「面白くてためになる」というお話。前からうすうす感じてはいたが、やっぱりこういうの合ってると思う。アカデミック風味なエンターティメント。

鶴八鶴次郎 [VHS]

鶴八鶴次郎 [VHS]

今回は強烈にインパクトのある瞬間も無かったが辛い瞬間もなくて、全体が100点満点の80点くらいで流れていった感じ。
だから悪いってことはない。「面白かった?」って聞かれたら「面白かった!」って答えることができます。こーゆう狭い会場は全力投球じゃなくても、余白は勝手に客が埋める。そういう共犯関係っぽいのって、客にとっては楽しいものなのだ。今回、空気を一緒に作っていった感があって面白かった。(特に後半。)演者がすべてを牽引しない方が、空気がいろんな方向に転がっていって楽しい場合もある。この日のこの場所にしかない空気ってのもライブの醍醐味。
「内容は邦楽、スタイルはフォーク」というのが私の文鳥舎初体験のときの感想だった。奇しくも今回も同じ感想。
しかし今だから書いてしまうが、当時はところどころに内輪に甘える感じが見受けられたのですよ、私には。(うわー、こんなこと書いていいのかしら・・・スイマセン。)でも今は初めてのお客さんも、楽しく観られて遊べる会になってきつつあると思う。(打ち上げも含めて。)となるとやっぱり、会場・・・狭いよねぇ・・・。でも他の場所だとまた雰囲気違っちゃうし、ねえ。
ラジオや新聞など、とにかく露出があると正直にお客さんの数に反映する。今後の文鳥舎では、ゆったりした空間で観られることは二度とないんじゃないかな。そんな時期にきてしまったような気がする。嬉しいけど寂しい。


このBlogを遡ると初めて紫文さんを観た日のことが書いてある。2004年の4月の末広亭だったのね!もっと前から知ってるみたいな気がしていたが、たかだか2年ちょっと。そんなもんだったのか!そもそも、このBlogにご本人からコメントいただいたのが文鳥舎に毎回行くようになったきっかけなので、今思えばいささか「Web2.0」的。
それはともかくとして、芸人さん本人が読むという可能性をまったく考慮していなかった私は、それ以来ネット上での言い回しをけっこう考えるようになった。その後直接お話する機会が何度かあったりして、芸人さんも人間だということがわかったからである。

ところで打ち上げの時にお客さんから、トンガリキッズ絡みのウワサをきく。ちょっと前にスーパーマリオのテーマをサンプリングにして話題になったグループ。

トンガリキッズ I

トンガリキッズ I

ちょっとNWの血が騒いだ一瞬。