太田スセリワンマンライブ

この人、最初は好きではなかった。
ラジオをかけっぱなしで寝るクセがあり、たいがいTBSなので、土曜日の午前中は必然的に永六輔ラジオ東京を耳にするはめになる。
が、休みなのでその時間帯はまだ睡眠時間でもあるのだ。
そこでイライラするようなギターと歌を聴いたのが出会いであった。
「うるっさいなー!」というのが第一印象である。
その印象がいつ覆ったのが思い出せないが、永さんからの自分のネタへのアドバイスなどをしおらしく聞いている様子に好感を持ったのが始まりかもしれない。
でもその時点ではまだ、ぜったい小柄な声優チックな女の子だと思っていた。
それが先日紀伊国屋で観てビックリ。
長身でスッキリした感じのお姉さまだった。
なにかをかなぐり捨てるように歌い、ギターを鳴らす(弾くのではなく)様子に衝撃を受け、もうちょっと長い時間見たいなーと思っていながらご本人のBLOGをちょいちょい覗いているうちに本日のライブを知り、さっそく出かけた。

会場は四谷コタン。
マンションの一階にあるのに中に入ると地下っぽい。
70年代風は70年代風なのだが、文鳥舎と比べるともっとアンダーグラウンドな雰囲気。
狭く、天井低く、照明も暗め。
禁煙にするより、煙草の煙で濛々としている方が似合いそう。
なんかの映画に出てきたビートニクの溜まり場ってのがここと似てたな。
(・・・ってことは70年代風ではなく50年代風と言わねばならぬ。)
座席は店のレイアウトをそのまま使うので、ステージに向かって正面から見るのではない。
演奏中も飲み食いOKなのがよいです。
狭いのに照明設備が意外とちゃんとしているのに驚いた。
赤いライトが当たったり暗転したり。

全体は3部構成。
一部 トークと歌 太田スセリ
二部 弾き語り  すわ親治
三部 コントと歌 太田スセリ

一部と二部、二部と三部の間にそれぞれ10分休憩が入る。
これも案外助かるのです。
トイレいけるし、お酒やお料理の追加も頼みやすい。
が、しかし、ここのトイレは楽屋兼用なので、お色直し中のスセリさんとバッタリ会ってしまいうろたえた私だった。そりゃびっくりしますって。

最初はタンバリンで歌ったりしつつおしゃべりを。
血液型ネタは賛否両論でしょうが、私は好きだなー。
ギターにもときどき挑戦されていたが、Amが押さえられないとのことで苦戦。
でもギターで歌ったときとタンバリンで歌ったときとでは、奥行きが違う。
チューニング合ってなくてもギターの音が入った方がよい気がする。
タンバリンだとほんとに「ネタ」って感じしかしないから。
ギター入ると歌っぽくなる。
歌っぽくなると、深読みしたくなるのです。
一人コントは選挙演説のとラジオ体操のと二つ。
面白かった。
とくにラジオ体操のやつ、
体操の動きとキャラクターの感情の動きがシンクロするアイディアがよい。
最後、なにげにがっかりしているOLの表情が絶妙だった。


すわ親治さんもこの前紀伊国屋で観て、ぜったいまた観たいと思っていた人なのですごく嬉しかった。これで2000円って安すぎます!
ネタは紀伊国屋のときと同じだったけど、とても安定感があるので安心して全身ゆだねて笑っていられる。
ギターの低音が気持ちよく、最後はシリアスに歌って〆めたがいい声ですねえ・・・。

ライブが終わった後も打ち上げと言うのではないが、残ってダラダラ呑んでいてもよい雰囲気だったので、しばらく居座って飲んだり歓談したりする。
スセリさんもときどき近くの席に来てくれてビールを注いでくれたりして、嬉しい。
なかなか腕が治らないとのことで、マッサージのプロと思われるお客さん(?)に揉まれながら座っておられた風情がなんとも可笑しかったです。
ウクレレは開放弦でAmなのでどうですか?なんてお薦めしてみたけれど、どーかしらね?
コンサートタイプならギターほどではないが大きいし・・・。

(あとで気がついたけどAmじゃないや。Am7だ・・・やばい。)