平成落語家ジョッキー


※ 今更ながら、ここには一日一本しかかけないことに気がついた・・・。
  というわけで、今日も一本だけお引越しです。

NHK第1 土曜日 夜7:30〜7:55

若手落語家による生放送番組。
今や懐かしの正統派「ディスクジョッキー」スタイルで、4人の落語家が週替りでパーソナリティをつとめますが、ピンチヒッターでレギュラー陣の弟子や成長株の二つ目が出演することもあります。
身の回りの出来事や時事ネタを落語家的視点で語ったり、落語界や寄席の裏話が飛び出したり、噺家個人の趣味の話で本人だけ熱く盛り上がったり・・・。
しかし、間に1,2曲はさみながらの25分間なので、はっきりいってなんだか取りとめの無い番組であります。
そもそも落語家だからといってラジオで話すのがかならずしも巧いわけではない。高座で話すときは稽古するから巧いんであるし、目の前にお客のいないラジオでの喋りは勝手が違うらしく、妙にテンションの高い「とっ散らかった一人喋り」になっている部分が無きにしも非ず。
落語が披露されることも無いので、演芸番組的な聴き方もできませんが、落語家っていう生き物が日々どんなことを思い、どんな生活をしているのか、高座の外ではどんな生活をしているのか、という野次馬的興味で私は楽しんでいますね。
落語っていうと「志ん生が・・・」「だの「文楽が・・」だのと言い出す向きにはパーソナリティ全員のノリが軽すぎてどうも・・・と思われてしまうかもしれませんが、現役の彼らに落語界を牽引してもらわないことには名人上手も生まれてこないわけですから、まあ、応援してあげて下さいませ。

それからここでマクラの練り上げる場合もあるようで、後日落語会に出かけてみるとラジオのときと同じ噺を、さらにブラッシュアップして面白く話してた、なんて場面にも遭遇しました。
マクラというのは高座で落語の本編に入るまでの雑談のようなものですが、あれって噺によってマクラの定型があるもの以外はその場の思いつきで喋ってるのかと思っていましたら、違うんですね。
自分の体験から作り上げたオリジナルのマクラでも、ムダを省いたり、演出を加えたりして作りこみ、何度も使うというのは普通のことのようです。
この番組を「マクラの素」として聴き、寄席や演芸会に出かけてみましょう。