シネマ落語「ET」

先週はひさしぶりに志らくのピンに行った。
お題はETだった。宇宙人を天狗に替えたアレンジ。
「天狗裁」「子別れ」「風呂敷」と古典を3題やって、その3つに出てきたキャラクター達がラストの「シネマ落語ET」で一堂に会する。
鍋焼き饂飩の罠におびき寄せられた天狗の親子。捕まって見世物小屋に売られるところを、父親だけが子供を置き去りにして逃げてしまう。この子天狗が「子別れ」の亀吉やその友達に助けられ、なんとか父親と再会するまでのドタバタ。天狗の葉団扇の小道具使いが効いていて、さすがに巧い!よくできてる!
空を飛ぶシーンや鼻の先端を指で触るシーンには「よし来た!」っていう感じで拍手喝采。みんな「ET」は観てるのネ。
面白かったんだが、今回はスペシャルということでいつもと会場が違ったんだな。中央会館というところで、ここがまた広くてねぇ、演者が遠く小さくなんとも心もとない。
たぶん志らくさんも所作を大きめにやっていたのだと思うが、それでも表情とかさりげない部分とかが、見えない感じがして残念。
面白かったから余計に残念。
この前上野広小路亭で目の前で見たときと比べちゃうからさらに残念度が増してしまうぞー。
あと最初にスペシャルゲストで出た双葉あき子さんのコーナーが、申し訳ないけど長くて・・・単に私がシャンソンにあまり興味が無いというのもあったけど、ステージから降りて客席で歌うもんだから、見えなくて弱ったヨ。
まあでも、89歳という年齢を考えたら、あそこに立って4曲歌ってトークもして、どピンクのドレスをひらひらさせてダンスってのは驚嘆に値する。
うちの祖母が昨年享年88歳だったことを考えると、もはやこれは物の怪。
全体的に今回は「人情話」って感じだったか。
私が座った席の左端にはけっこうな老夫婦が座っていたが、双葉あき子さんのコーナーにも、その後の落語にもたいそう喜んでいて、ほほえましかった。