山田晃士トリオ@千駄木ペチコートレーン

山田晃士と谷根千・・・うーん、似合わん。
なんせ江戸と昭和が息づく街ですけん。
と思っていたのですが、この会場となったペチコートレーンって喫茶店、ここだけなんかこの辺には珍しく西荻窪テイストなんですね。
アンティークっぽい内装にシャンデリアが下がっていたり。
そんなわけで、案外はまってました、山田トリオ。
いや、ぴったりだったといっても過言ではない。
ライブの中でコーシさんも言っていたが「パリのカフェみたい。」って、思える瞬間が確かに何度もあった。
ちょっと日本じゃないみたいな。
また、窓を背にしたステージだったので、唄いまくるコーシさんの背後を車のヘッドライトや、傘をさした通行人が行きかうのも面白く。
あまりの声量に、その通行人もときどき立ち止まって店の中を覗き込んでた。

ライブそのものはとっても良かったのだが、たしかにトリオの位置づけは迷うところなのかも。
「この3人ならではの音」ってのはいまのところ無いものね。
一人で出来ること、バンドで出来ること・・・それをわざわざトリオでやることもないわけで、そういうところをアーチストってのは考えちゃうんだろう。
音楽的完成度としては十分すぎるほどなんだが・・・常にベストエフォートを模索するところが山田晃士さんのステキなところ。
個人的にはこの3人では、シャンソンのカバーのときのサウンドが一番生き生きと聴こえた。「群集」とか「切符切り」とか。「PADAM PADAM」も。
だけど、今簡単にできちゃうことは、別に追求しなくてもいいことなのか。
難しいね。みんな上手くてなんでも出来てしまうからこそ、ベストの見極めが難しい。
でも観ている方は、あの固まりきってない感じがスリリングで面白いのよねえ。

と、長文書ける元気がないのでまたぽつぽつ続きは書く、のかも。(書かないのかも?)

しかし、思ったのは、福島さんってなんか、猫みたい。
女性だったら小悪魔つーか、魔性タイプだね、たぶん。
あ、色っぽいと言う意味ではなくて、次に何を言い出すかわからなくてはらはらするという意味で・・・はらはらしすぎて好きになっちゃいそう、という。

それから、田ノ岡さんのアコーディオンがいつものじゃなくてエクセルシアだった。
ダラッペに比べると微妙に直線的というか、単線!てな感じのドライさと、高音が弱いのに中低域で急に膨らむ音のクセ・・・を感じたが、やっぱりそれでもちゃんと「田ノ岡サウンド」になっていた。どこか人懐っこい音になるのね。やっぱ人柄かしら。

MCやライブ中、ライブ間の様子を察するに、山田晃士さんという人は意外に人間関係に心を砕くタイプらしい。
なるほど天秤座っぽいなあ、と思ったりした。美意識と理性とバランスと完璧主義の星座なのです。
自分の中だけでなく、自己と他者の間にあるものを常に見つめている、そういう星の人。