柴草玲&ペーソス@横浜FRYDAY

やっとこさ、まとまった。
このまま「まりしろ」へ投稿ぢゃ。
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横浜、伊勢崎町。東京のどことも似ていないこの街。
東映のヤクザ映画の登場人物がそこらへんから出てきそうな、昭和なやさぐれ感。
どことなく無頼の風吹くこの街で、「ペーソス&柴草玲」ライブはしめやかに行われたのであった。
会場は長者町FRYDAY。店内にはジュークボックスがあったり、マスターがリーゼントにスカジャンだったり、と50年代ムード満点。
古き良き不良の溜まり場的なライブハウスである。
平日の夜ということがあってか、お客さんは20人前後だったと思われる。
開演ちょっと前に入ったら、お店のBGMにあわせてペーソスの岩田さんが無心にギターを弾いておられた。

この日は4部構成。
1部 ペーソス、2部 柴草玲、3部 ペーソス、4部 柴草玲・・・。
開演が20時だったことを考えると、かなり大人向けな時間割である。てゆーか、これって終電やばくない?
私の心配をよそに、まずはペーソスのステージから粛々とスタート。
柴草玲さんのような女性を見ていると妄想が膨らむということで一曲目は「男嫌い」
「おやぢいらんかえ〜」「ああ連帯保証人」とトントンと進み、「駄目になりそう」では曲中に携帯電話の着信音を効果的に使って驚かせる。
第1部は「涙腺歌」で締め。
お客さんの年齢層も手伝って、スマイリー井原さんの司会がじんわり染みわたっていく。
「ああ、そうなんだよねぇ、トシ食ってくるとねえ、わかるわかる〜。あー、やだなあ、わかっちゃうなぁ〜。」
と、各自が心の中でひそやかに、マゾヒスティックな快感に浸るムード。

さて第2部、柴草玲さん。ここは生ピアノは無いので電子ピアノにて。
1曲目、「昔のビデオ」から「雪」へ。
「雪」のラストはキレイに終らず、ピアノを叩き壊しそうにガンガン鳴らす柴草玲クオリティ。
玲さんはペーソスのステージを観るのは初めてだったそうだ。
「オヤジといえば○岡○巻、最初はちょっと面白いじゃんと思っていたけど、最近その作ったオヤジっぷりが鼻についてきた。それに比べると今日のペーソスさんたちのなんと清らかなこと!」
と賛辞を贈った後、「涙腺歌」へのアンサーソングとしてどっちがショボイかな?」を披露。(「微妙」つながりで。)
そして20年来のバンド仲間というトランペット奏者、佐野さんというやさしそうなスキンヘッドの男性をゲストに迎えて2曲。
トロンボーンを加えて演奏されたリリカルな「しもつかれ」。指笛とセッションした「バッテリー強化液」。指笛は文字通り、両手を組み合わせて親指をくわえて吹き鳴らす

もの。玲さんの熱演にたびたび噴き出してしまい、演奏が中断する佐野さん。
玲さんの20代のラテンバンド時代の逸話もちらり。昔からサービス精神が旺盛で、男性客へのサービスのつもりで白衣やセーラー服を着てきては、ステージ上から下ネタを連発しては客席を引かせていたらしい。「きれいな人が下ネタを言うと、男はどうしたらいいかわからなくなるんですよ。」とは佐野さんの弁。

柴草玲ショックさめやらぬ店内にスマイリー井原さんの「ペーソス、行って来いショー!」の声が響き、強引に3部のペーソスワールドが開始。
意図してのことなのか「男同士」「女の一夜干し」「イッテコイ節」など、ノリの良い曲を畳み掛ける。
「椋鳥哀歌」「霧雨の北沢緑道」ではコーラス&アコーディオンで玲さんが参加。
玲さんは元気に、しかも無表情で「脂肪っ!」「前立腺っ!」の唱和。
ペーソス三人の「敵わねぇなぁ〜。」的なトホホな表情。
もー、たまりませんです。

初めての顔合わせだったペーソスと玲さん、意外にもしっくりなじみ、いい塩梅のライブだった。
お互いの持つ湿度がちょっと似ているし、「老い」というものをシニカルにときにリリカルに眺める視線もちょっと似ている。
「老い」に対して女は攻撃的になり、男は感傷的になるのかしらん。
そんな対比も面白い。

この後第4部へと続くわけだが、残念ながら私は電車の都合で帰らざるをえなくなり、後ろ髪を引かれながら席を立った。
ああ、この後「さげまんのタンゴ」が絶対あるはずなのに・・・。
電車が無くなるなら、ビジネスホテルに一泊してでも見る価値があったライブだと思う。
ところで、なんとこの顔合わせ、第二回があるらしい。
3月だそうですよ。見逃した皆さん、次回こそ目撃せよ!
今度は一泊してでも最後まで見届ける覚悟の私です。